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第1199号(平成23年8月20日) |

佐賀県医師会長 池田 秀夫

勤務医の労働環境の変化が,産科医,小児科医,救急医等の一部診療科の医師不足を招き,ひいては,診療科の撤退,医療施設の閉鎖等,医療提供体制の崩壊へとつながり,大きな社会問題となっている.
また,新医師臨床研修制度導入以降,臨床研修の場が大学病院から,都市部の待遇の良い病院やマグネットホスピタルへと移り,その結果,地方の医師不足,偏在は更に顕著となっている.
加えて,女性医師の出産・子育て等による環境負荷を原因とする立ち去りも,医師不足に大きく拍車を掛けている.
これら勤務医の労働環境の整備,研修医制度の見直し及び女性医師の就労支援は喫緊の課題であり,これらの諸問題を早急に改善することが,ひいては医師不足を解消することにつながり,医療再生への大きな手立てになるであろう.
我が国の医療を守るという強い決意の下に,これらの諸問題に当たらねばならず,勤務医と開業医の垣根を取り払い,全ての医師が団結して臨むことが必要である.
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