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第1224号(平成24年9月5日) |
8月8日
ムンプス・水痘の重症症例・重篤合併症の調査結果について
小森貴常任理事は,「ムンプス・水痘の重症症例・重篤合併症の調査結果」を公表し,併せて予防接種法の改正に対する日医の見解を述べた.
同常任理事は,まず,本年五月二十三日に開催された厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会で,委員の総意として,七つのワクチン(子宮頸がん予防,Hib,小児用肺炎球菌,おたふくかぜ,水痘,成人用肺炎球菌,B型肝炎)を,広く接種促進していくことが提言されたが,一方で,政府与党においては,財源の問題から,定期接種化に当たっては,補正事業で公費接種が先行実施されている三ワクチンをまず優先する方向性が示されたと説明した.
その上で,日医,日本小児科学会,日本小児科医会の三団体が,以前からこのような状況を懸念していたこともあり,本年三月,三団体で,「ムンプス・水痘の重症症例・重篤合併症の調査」を実施したことについて報告した.
調査の対象は,全国の小児科,内科,耳鼻咽喉科,皮膚科,泌尿器科,皮膚泌尿器科,産科,婦人科,産婦人科を標榜する病院の各診療科一万九千九百二十一カ所で,調査対象期間は,平成二十一年一月一日〜平成二十三年十二月三十一日の三年間.回答率は,約二〇%であった.
ムンプス,水痘共に,それぞれ三千七百カ所前後の関連診療科からの回答を集計した結果,重症化して入院した症例がムンプスで四千八百八人,水痘で三千四百七人に上るなど,相当数の重症例があり,また一定の重篤後遺症例の発生も明らかとなった.
同常任理事は,今回の調査結果から,ムンプス,水痘ワクチンの定期接種化が実現出来れば,少なくとも年間二千五百名以上の重症例等の発生を未然に防ぐことが可能であることを証明出来たとした.そして,日医として,改めて先進諸国とわが国の間のワクチンギャップの解消に向け,七ワクチン全ての定期接種化を,政府等関係各方面に強く働き掛けていく意向を示した.
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