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第1225号(平成24年9月20日) |
8月22・29日,9月5日
第4回(2012年)日医会員喫煙意識調査報告まとまる
今村聡副会長は,日本医師会委託調査研究「第四回(二〇一二年)日本医師会員喫煙意識調査報告」がまとまったことを報告.初めに,同副会長は,一九九九年にWHO(世界保健機関)が医師は喫煙すべきでないと提唱して以来,日医が実施してきた,「禁煙日医宣言(二〇〇三年)」「禁煙に関する声明文(二〇〇八年)」「受動喫煙ゼロ宣言(二〇一二年)」など,医師の喫煙行動に関する取り組みについて,継時的に概説した.
同意識調査は,日医の禁煙推進活動の一環として,過去に二〇〇〇年,二〇〇四年,二〇〇八年と四年ごとに行われてきたもので,今回で四度目となる.今回の調査では,二〇一一年十二月時点の日医会員から,男性六千名,女性千五百名の計七千五百名を無作為抽出し,五千八百五十四名の有効回答(反応率八〇・四%)を得た.
喫煙率は,男性一二・五%(二〇〇八年一五・〇%,二〇〇四年二一・五%,二〇〇〇年二七・一%),女性二・九%(二〇〇八年四・六%,二〇〇四年五・四%,二〇〇〇年六・八%)であり,二〇〇〇年の調査開始時に比べて男女共に有意に低下したことが示された.
この他,(一)ニコチン依存者率は男性において二〇〇〇年の調査開始時に比べて有意に低下,(二)女性では,四十歳代,五十歳代,七十歳代以上で喫煙率が有意に低下,(三)女性では,サンプル数の多い,内科,小児科で喫煙率が有意に低下,(四)男性の毎日喫煙者の喫煙本数の減少,(五)医師の喫煙に陽性に関連する要因((1)男性(2)六十歳代(3)月四回以上の夜勤・当直(4)毎日の飲酒習慣(5)運動習慣がない)―などが調査結果より判明した.これらの結果から,日医会員の喫煙率は男女共に減少しており,喫煙率の減少は,男性では,ほぼ全ての年齢階級,全ての診療科で観察されたとして,一定の成果が出ているとの評価であった.
同副会長は,今回の調査結果について,男性の診療科別の喫煙率に差が大きかった一因として,日本呼吸器学会や日本循環器学会等では専門医の認定要件に「非喫煙者であること」が定められていることも関係しているのではないかと推察.ある一定まで喫煙率が下がってきたため,今後は,よりターゲットを明確にして,喫煙率が明らかに高い科の学会等に対して,日医から積極的な禁煙活動への取り組みを依頼するなど,具体的な戦略について検討していきたいとした.
更に,(3)の就労状況に関連し,病院勤務医の労働環境問題については,日医は勤務医の健康支援についてさまざまな方策を検討しているが,今まで以上に考えていかなければならないとした他,若年層への禁煙教育や喫煙率が高いと言われる医療関係職種への教育など,「これからも喫煙防止推進啓発活動に一層努めていきたい」と抱負を述べた.
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