日医ニュース
日医ニュース目次 第1225号(平成24年9月20日)

私もひとこと

茨城県医師会長 齋藤  浩

 医療崩壊が懸念される昨今であるが,最大の因子は勤務医不足による医師不足にあると分析されている.
 これは病院勤務医の需要と供給のミスマッチに由来すると考えられている.
 これによって病院の淘汰が進み,従来のシステムが成立せず,地域医療は破綻しつつある.
 茨城県医師会は,県知事・国会議員・県会議員・県庁各部・大学並びに病院等との定例会議を開催し,勤務医問題の検討を積極的に進めている.
 対人口十万人当たりの医師数が極めて低い当県であるが,横断的なメディカルマネジメントを駆使して,高水準での地域医療を支えているのが現況である.
 女性医師就業相談窓口は,以前からの出産・育児・離職防止・再就業支援を図っているが,医学部学生,更には高校生を対象とした講演会・相談会も医師会主催で実施している.
 茨城医学会では,勤務医部会学術奨励者を表彰して助成と振興を図るとともに,勤務医の医師会入会を促進している.全国初の医療問題中立処理委員会の開設は,医事紛争防止の点から勤務医の評価は大きい.
 従来,厚生労働省やマスコミは,病院対診療所,勤務医対開業医の構図を強調して医療政策を論じてきたが,大きな誤りであることを認識すべきである.国民は,医師全員の連携と協働を求めている.

このページのトップへ

日本医師会ホームページ http://www.med.or.jp/
Copyright (C) Japan Medical Association. All rights reserved.