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第1239号(平成25年4月20日) |
4月3日
「署名活動の結果に基づく7ワクチンの定期接種化を求める要望」について
小森貴常任理事は,「日医が予防接種推進専門協議会と共に,七ワクチンの定期接種化を求める署名活動を一月から展開していること,また一月二十八日に,七ワクチンの速やかな定期接種化を求める要望書を田村憲久厚生労働大臣に提出したことについては,既に一月三十日の記者会見で発表したとおりである」と述べた上で,その後の動きについて説明した.
同常任理事は,署名活動について,短い期間にもかかわらず,全国から総数百六十万二千七百十一筆の署名が寄せられたことを報告し,「多くの国民から賛同の署名をいただいたことに対し,深い敬意と御礼を申し上げたいと思う」とした.そして,この署名の結果を添えて,三月二十一日に,岩田敏予防接種推進専門協議会委員長と共に,厚生労働省を訪れ,秋葉賢也厚労副大臣に,厚労大臣宛ての要望書を提出したことを明らかにした.
一方,三月二十二日の衆議院,二十九日の参議院本会議で予防接種法改正法案が可決・成立したものの,定期接種化されたのが,ワクチン接種緊急促進事業として実施されてきた子宮頸がん予防,ヒブ,小児用肺炎球菌にとどまったことには遺憾の意を表明.しかし,衆議院及び参議院の厚生労働委員会において,附帯決議が採択され,水痘,おたふくかぜ,成人用肺炎球菌,B型肝炎の四ワクチンを定期接種の対象とすることについて検討し,平成二十五年度中に結論を得る旨が明記されたことに触れ,これは,昨年五月に予防接種部会が取りまとめた「第二次提言」の趣旨に則り,速やかな七ワクチンの定期接種化を与野党の国会議員に継続的に要望してきた結果であるとして,「ワクチンで防ぐことの出来る病気から,一人でも多くの国民,特に子どもたちを救うというわれわれの考えに賛同し,国民の声に耳を傾けて,附帯決議の採択に尽力いただいた国会議員の方々に感謝申し上げる」と述べた.
また,これまで低所得者世帯を除く定期接種の費用は,市町村の自治事務として市町村独自の財源で実施されてきているため,地域間格差が発生しやすい環境にあったが,平成二十五年度から,費用の九割を国が普通交付税措置として交付することになったことについては,「格差の是正,国の責任の明確化という観点から高く評価したい」とした.
最後に,同常任理事は,「日医としては,残る四ワクチンの定期接種化の実現と,予防接種政策の更なる充実・推進を目指し,特に現在,厚生科学審議会で検討中のロタウイルスワクチンを始めとする新しいワクチン,更には混合ワクチン等についても,医学的・科学的観点から安全性を確保した上で,予防接種政策の中に定期接種として組み込むよう,今後とも精力的に国等へ働き掛けていきたい」と抱負を述べた.
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