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第1245号(平成25年7月20日) |
日医と全国大学医師会連絡協議会との懇談会
医療界が直面する課題について活発に議論
日医と全国大学医師会連絡協議会との懇談会が六月二十五日,日医会館で開催された.
本懇談会は,全国大学医師会連絡協議会とさまざまな問題について議論する場を設けたいとの横倉義武会長の強い意向を受けて開催されたもので,日医からは横倉会長始め,中川俊男・今村聡両副会長,三上裕司・高杉敬久・小森貴各常任理事が,連絡協議会側からは水澤英洋会長,大平弘正幹事,山田和雄前会長が,それぞれ出席した.
冒頭あいさつした横倉会長は,二十三日に開催された第百二十九回定例代議員会において,「日本医師会綱領」が承認されたことに触れ,「日医が生まれ変わったこの時期に,このような機会を設けられたことは大変喜ばしい.本日は,直面する課題について率直な意見交換をしたいと考えているので,よろしくお願いしたい」と述べた.
その後は,(一)日本医学会の法人化,(二)厚生労働省「医療事故に係る調査の仕組み等のあり方に関する検討部会」取りまとめと日医の今後の対応,(三)大学医学部女性医師支援担当者連絡会,(四)大学臨床系教員の勤務環境改善,(五)医師会のない大学における医師会設立促進─等について,議論が行われた.
(一)では,横倉会長が,会員の中にこの問題への大きな危惧があることを説明した上で,日本医学会と時間をかけて議論していく考えを示し,連絡協議会側の理解を求めた.
(二)では,高杉常任理事が,厚労省の検討部会の報告書と日医の「医療事故調査に関する検討委員会」の答申の内容を概説.どのような形で法律に書き込まれるか等,問題は山積しているが,これを契機として,医療事故調査制度の早期の創設につなげていきたいとした.これに対して,連絡協議会側は,制度をうまく機能させていくためには,大学と医師会の連携が極めて重要になると指摘.その際には,医師会が主導的立場に立つことに期待感を示した.
(三)では,小森常任理事が,九月二十七日に連絡会を開催することを報告.「主な目的は,各大学医学部の,女性医師支援や男女共同参画に関する取り組みについて,情報(意見)交換することにあることから,関係者への働き掛けをお願いしたい」と述べた.
(四)では,まず,水澤連絡協議会長が,依然として厳しい状況にある大学臨床系教員の勤務環境について説明.今村副会長は,日医の「勤務医の健康支援に関する検討委員会」が作成した「勤務医の労務管理に関する分析・改善ツール」の活用を求めた他,国が実施している「緊急雇用創出事業の活用による医療分野の『雇用の質』の向上のためのアドバイザー派遣事業」を紹介.「都道府県医師会と連携の上で,うまく機能するようにして欲しい」と述べた.
また,連絡協議会側からは,医学部教育の見直しの必要性が指摘され,学生が地域で臨床研修が出来るよう,日医の協力が求められた.
(五)では,水澤連絡協議会長が,医師会のない大学に対する働き掛けとともに,医師会員の加入促進に向けた活動を活発化させる考えを表明.これに対しては,今村副会長が,医師会を知ってもらうために『ドクタラーゼ』の活用を求めた他,三上常任理事も,「日医としても,医師賠償責任保険やホテル宿泊割引制度など,日医が行っているさまざまなサービスを知ってもらえるよう,広報していきたい」と述べた.
その他,両者は,今後も今回のような懇談会を定期的に開催していくことを確認した.
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