日医ニュース
日医ニュース目次 第1253号(平成25年11月20日)

第66回日本医師会設立記念医学大会
医学・医療の功労者を表彰

第66回日本医師会設立記念医学大会/医学・医療の功労者を表彰(写真) 第六十六回日本医師会設立記念医学大会が十一月一日,日医会館大講堂で盛大に開催された.式典では,日本医師会最高優功賞,優功賞,医学賞,医学研究奨励賞の授与と,併せて長寿会員慶祝者の紹介が行われた.
 冒頭,あいさつに立った横倉義武会長は,まず,本年四月に日医が公益社団法人として新たな歩みを始めたことに触れ,「国民医療を向上させてこられた先達の思いを引き継ぎ,国民医療体制の確立,安全な医療提供の推進等を図るために,これまで以上に公益的活動を深化させたい」と述べた.
 また,そのためにも,医師会が何を目標に活動するのかを明確にした指標が必要であると考え,六月に開催した第百二十九回定例代議員会において「日本医師会綱領」を策定したと説明し,日医には,既に医師個人の規範である「医の倫理綱領」があるが,本綱領は,日医組織としての基本姿勢を示すものだとした.そして,更に,「公益社団法人へと生まれ変わり,国民皆保険の堅持と医学・医療を通じた国民への奉仕を改めて誓いながら,新たなる歩みを進めてまいりたい」と述べた上で,「本日は,長年にわたり地域医療及び本会の事業の推進にご尽力下さった先生方,また,医学の発展に功績のあった方々に,ささやかながら顕彰をもって報いたい」とした.
 続いて来賓を代表して,田村憲久厚生労働大臣(原壽医政局長代読)が祝辞を述べた後,表彰式が行われ,受賞者が登壇.横倉会長から表彰状と記念品目録を授与された.
 なお,今回の受賞者は,日本医師会最高優功賞が二十一名(「在任六年日本医師会役員」一名,「通算六年日本医師会役員及び都道府県医師会長」一名,「在任六年都道府県医師会長」六名,「医学,医術の研究または地域における医療活動により,医学,医療の発展又は社会福祉の向上に貢献し,特に功績顕著なる功労者」十三名〔受賞者の功績紹介は,別記事参照〕),日本医師会優功賞が六十四名(「在任十年日本医師会代議員」十五名,「在任十年日本医師会委員会委員」四十五名,「都道府県医師会長退任者」三名,「日本医師会会長表彰者」一名),日本医師会医学賞が三名,日本医師会医学研究奨励賞が十五名となっている.
第66回日本医師会設立記念医学大会/医学・医療の功労者を表彰(写真) 受賞者を代表して,薬袋健山梨県医師会長が,「本日の受賞を励みに,より一層の努力,研鑽(さん)を重ねていくことを誓う」と謝辞を述べた.
 表彰式終了後には,日本医師会医学賞受賞の三氏による講演,「骨髄異形成症候群におけるRNAスプライシング因子の変異の発見」(小川誠司京都大学大学院医学研究科教授),「地域および職場における心の健康の実態,関連要因解明および対策に関する研究」(川上憲人東京大学大学院医学系研究科教授),「インクレチン生理機能の解明と日本人糖尿病におけるその意義」(清野裕関西電力病院病院長)が行われた.
 なお,白寿会員三十七名,米寿会員千四百九十六名の慶祝者には,更なる長寿を祈念して銀盃が贈呈された.

受賞者一覧

日本医師会最高優功賞

◇在任六年日本医師会役員
羽生田 俊(群 馬)
◇通算六年日本医師会役員及び都道府県医師会長
伯井 俊明(大 阪)
◇在任六年都道府県医師会長
薬袋  健(山 梨)
小林  博(岐 阜)
鈴木 勝彦(静 岡)
塩見 俊次(奈 良)
蒔本  恭(長 崎)
稲倉 正孝(宮 崎)
◇医学,医術の研究又は地域における医療活動により,医学,医療の発展又は社会福祉の向上に貢献し,特に功績顕著なる功労者(都道府県医師会長推薦)
【個人の部】
●産業保健活動の推進に貢献した功労者
皆川 憲弘(茨 城)
●地域医療体制の整備及び保健事業に貢献した功労者
梨 彦(埼 玉)
●C型肝硬変症からの肝発がん予防に貢献した功労者
多羅尾 和郎(神奈川)
●母子保健・周産期医療に著しく貢献した功労者
中村  彰(石 川)
●地域医療の向上及び保健衛生活動に貢献した功労者
山内 英通(岐 阜)
●介護支援体制の確立に貢献した功労者
久保 公昭(三 重)
●社会福祉活動の推進に貢献した功労者
谷本 吉造(大 阪)
●公衆衛生の向上に貢献した功労者
尾崎  馨(兵 庫)
●検診事業の普及・推進に貢献した功労者
西尾  功(奈 良)
●病理学を通じて地域医療の向上に貢献した功労者
元井  信(広 島)
●救急医療体制の確立に貢献した功労者
福田 俊郎(長 崎)
●離島医療に著しく貢献した功労者
田上 容正(鹿児島)
●医師会活動を通じて看護師養成に貢献した功労者
友寄 英毅(沖 縄)

日本医師会優功賞

◇在任十年日本医師会代議員
齋藤  浩(茨 城)
鈴木 伸一郎(埼 玉)
土橋 正彦(千 葉)
荒木 譽達(東 京)
清水 美津子(東 京)
新納 憲司(神奈川)
伊藤 宣夫(愛 知)
加藤 寿彦(愛 知)
柵木 充明(愛 知)
西城 英郎(三 重)
本庄  昭(兵 庫)
吉本 正博(山 口)
江頭 啓介(福 岡)
横須賀 巖(佐 賀)
福田  稠(熊 本)
◇在任十年日本医師会委員会委員
藤井 美穂(北海道)
三戸 和昭(北海道)
小原 紀彰(岩 手)
村田 勝敬(秋 田)
太田 照男(栃 木)
新井 政幸(埼 玉)
利根川 洋二(埼 玉)
秋葉 則子(千 葉)
猪口 雄二(東 京)
井原 裕宣(東 京)
岩本 安彦(東 京)
大橋 克洋(東 京)
小笠原 定雅(東 京)
金子  剛(東 京)
北川 泰久(東 京)
玉木 一弘(東 京)
島 次郎(東 京)
花岡 一雄(東 京)
福田 国彦(東 京)
北條  稔(東 京)
松下  隆(東 京)
緑川 正博(東 京)
峯村 栄司(東 京)
宮澤 幸久(東 京)
武藤 芳照(東 京)
森川  馨(東 京)
弓倉  整(東 京)
今井 重信(神奈川)
小堀 悦孝(神奈川)
田中 平三(神奈川)
宮岡  等(神奈川)
石黒 順造(愛 知)
稲坂  博(愛 知)
二木  立(愛 知)
北川  靖(京 都)
鍋島 直樹(京 都)
佐守 友博(兵 庫)
大塚 明廣(徳 島)
庄野 菜穂子(佐 賀)
松永 啓介(佐 賀)
宗   大(熊 本)
内田 一郎(大 分)
長柄 光子(鹿児島)
野村 秀洋(鹿児島)
鉾之原 大助(鹿児島)
◇都道府県医師会長退任者
岩城 勝英(富 山)
加藤 哲夫(島 根)
丹羽 国泰(岡 山)
◇日本医師会会長表彰者
●東日本大震災の被災地における精神科医療体制の充実・発展に貢献した功労者
新垣  元(沖 縄)

日本医師会医学賞

●骨髄異形成症候群におけるRNAスプライシング因子の変異の発見
小川 誠司(京大・腫瘍生物学)
●地域および職場における心の健康の実態,関連要因解明および対策に関する研究
川上 憲人(東大・精神保健学)
●インクレチン生理機能の解明と日本人糖尿病におけるその意義
清野  裕(関西電力病院)

日本医師会医学研究奨励賞

●マルチカラー細胞系譜追跡法による成体幹細胞の同定と解析
上野 博夫(関西医大・病理学)
●抗癌剤耐性を促進するがん特異的な免疫調節因子同定とその臨床的意義の検討
地主 将久(北大遺伝研・感染癌研究センター)
●蛍光生体イメージング技術を駆使した骨髄内免疫細胞分化の時空間的解明
石井  優(阪大・免疫細胞生物学)
●わが国におけるサルコペニアの定義およびその妥当性の検証
谷本 芳美(大阪医大・衛生学・公衆衛生学)
●大規模二次的データを用いた臨床疫学,医療経済・政策学研究
康永 秀生(東大・臨床疫学・経済学)
●脳梗塞に対する再生医療 ─日本初の薬事法に基づく生物製剤化への試み─
本望  修(札幌医大・神経再生医療学)
●サイクロフィリンAを基盤とする心血管病の成因解明と新しい診断・予防・治療法の開発
佐藤 公雄(東北大・循環器内科学)
●抗ヘリコバクター・ピロリCagA抗体迅速検出キットの開発
塩田 星児(大分大・環境・予防医学)
●糖尿病血管合併症の発症阻止に向けた新たな治療戦略の構築
荒木 信一(滋賀医大・糖尿病・腎臓・神経内科学)
●デルマタン4-O-硫酸基転移酵素-1欠損に基づくエーラスダンロス症候群の病態解明と治療法の開発
古庄 知己(信州大・遺伝子診療部)
●患者組織由来脂肪幹細胞の臨床応用を目指した開発研究
三吉 範克(大阪府立成人病センター)
●COX代謝からみた好酸球性副鼻腔炎の病態解明と新規治療法の開発
岡野 光博(岡山大・耳鼻咽喉・頭頸部外科学)
●子宮体癌においてエピジェネティックな制御を受けているmicroRNAを用いた創薬研究
阪埜 浩司(慶大・産婦人科学)
●前立腺肥大症に対する個別化治療と新規創薬開発に向けた基礎的研究
小島 祥敬(福島医大・泌尿器科学)
●虚血性網膜症における血管再生療法の開発
植村 明嘉(神戸大・血管生物学)

白寿会員

村上 京子(青 森)

他三十六名

米寿会員

逢坂 愛児(北海道)

他千四百九十五名

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