日医ニュース
日医ニュース目次 第1255号(平成25年12月20日)

都道府県医師会感染症危機管理担当理事連絡協議会
新型インフルエンザ等発生時の診療継続を期待

都道府県医師会感染症危機管理担当理事連絡協議会/新型インフルエンザ等発生時の診療継続を期待(写真) 都道府県医師会感染症危機管理対策協議会が十一月二十一日,日医会館小講堂で開催された.
 小森貴常任理事の司会で開会.
 冒頭あいさつした横倉義武会長(小森常任理事代読)は,「本年四月十三日に施行された新型インフルエンザ等対策特別措置法(以下特措法)は,日医の使命である『国民の健康と生命を守ること』と合致するものである」とした上で,強毒性の新型インフルエンザ等の万一の発生に備えた取り組みを,今まで以上に進めていく必要があるとの考えを示した.その上で,「特措法に基づき作成された新型インフルエンザ等対策政府行動計画においては,全ての医療機関において診療継続計画の作成が求められていること,そして,このことが特定接種の対象の前提となることから,本協議会を開催する運びとなった」と述べ,活発な議論と成果に期待を寄せた.

議 事

 続いて議事に入り,三宅邦明内閣官房新型インフルエンザ等対策室企画官は,「新型インフルエザ等対策特別措置法に基づく医療機関の役割等について」と題して,(一)特措法,(二)新型インフルエンザ等対策政府行動計画,(三)新型インフルエンザ等対策ガイドライン─について解説.特措法の基本方針に従い,迅速な対策のための明確な体制を構築することにより,感染のピークを遅らせ,ピーク時の患者数等を少なくすることが重要との考えを示した.
 廣澤友也厚生労働省健康局結核感染症課新型インフルエンザ対策推進室室長補佐は,「特定接種に係る医療機関の事前登録について」と題して講演し,特定接種の接種対象業種と接種順位の考え方や医療関係者の登録の進め方,登録スケジュール等を示した上で,医療機関の速やかな登録に協力を求め,特定接種登録申請書の記載例についても解説した.
 足立光平兵庫県医師会副会長は,「新型インフルエンザ等対策のための医療機関における診療継続計画」の作成について講演.診療継続計画を作成する意義,メリットや完成までの流れについて説明した上で,一般内科の無床診療所を想定した具体的な診療継続計画を示し,計画の作成は決して難しいものではなく,何より大事なのは院内外の話し合いの場を持つことであり,地域における自院の役割の確認と施設管理者による基本方針の策定,地域連携が不可欠であることを強調した.
 小森常任理事は,「事前登録に係る留意点等」について解説.日医がより簡易なものとして作成した「診療継続計画(案)」並びにその記載例を示し,眼科や皮膚科等,普段インフルエンザの治療を行わない医療機関も含め,全ての医療機関が新型インフルエンザ等の感染が拡大した際には国民の生命を守るためにその診療に当たって欲しいとし,特定接種の登録への協力を重ねて求めた.
 その後,活発な質疑応答が行われた.参加者は百十名.

このページのトップへ

日本医師会ホームページ http://www.med.or.jp/
Copyright (C) Japan Medical Association. All rights reserved.