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第1262号(平成26年4月5日) |
平成25年度都道府県医師会生涯教育担当理事連絡協議会
専門医の認定・更新に日医生涯教育制度等の活用を検討
平成二十五年度都道府県医師会生涯教育担当理事連絡協議会が三月十二日,日医会館小講堂で開催された.
小森貴常任理事の司会で開会.冒頭あいさつに立った横倉義武会長は,昭和六十二年に開始した日医生涯教育制度が平成二十二年の大幅な制度改正等を経て今日に至る経緯に触れ,平成二十九年から始まる予定の新たな専門医制度の認定カリキュラムの中に日医生涯教育制度を取り入れられるよう努力していることを報告し,理解を求めた.
その上で,「二〇二五年の超高齢社会に向け,予防から在宅まで切れ目のない医療提供体制を構築していく中で重要な役割を担うのはかかりつけ医であり,患者さんにかかりつけ医を信頼してもらうためにも自己研鑽(けんさん)を続けていかなければならない」と述べ,日医の生涯教育制度の重要性を強調した.
議事では,まず,小森常任理事が,平成二十四年度日医生涯教育制度の集計結果として,(一)単位取得者総数は十一万三千三百四人で,日医会員の単位取得者率は六二・九%,(二)平均取得単位は一六・一単位,(三)平均取得カリキュラムコード(CC)は一五・四,取得単位とCCの合計の平均は三一・五,(四)制度改正後,今回が初めての「日医生涯教育認定証」発行となり,五万二千八百八十六人に発行した─ことなどを説明.更に,指導医のための教育ワークショップ,日医生涯教育協力講座セミナー,e─ラーニングなどの生涯教育関連事項についても報告した.
次に,倉本秋生涯教育推進委員会委員長(高知医療再生機構理事長)が,第VII次同委員会の答申案「日医生涯教育制度の普及と専門医制度について」の骨子を説明.その中では,厚生労働省「専門医の在り方に関する検討会」の報告書に,「専門医の認定・更新に日医生涯教育制度等を活用することも考えられる」との文言が入れられたことに触れた上で,日医生涯教育制度のプログラムで行っているような「基本的医療課題」は,全ての専門医の認定・更新において,濃淡はあるものの,どの専門家であっても持っていて欲しいものであり,専門性はその専門学会に任せてはどうかという方向性が委員会の考え方になったとした.
更に,当初は混乱もあったが,CCの議論は成熟しつつあり,「男女共同参画」を始め修正・改訂の候補コードがいくつか挙がっており,枠組みは変えず,付加価値の改訂は,専門医制度の動きと合わせて平成二十七年頃には必要なのではないかとの合意が委員会で得られていると報告した.
専門医は医師の自律性を基盤に設計
引き続き講演二題が行われた.
まず,田村真一厚労省医政局医事課医師臨床研修推進室長が,「平成二十七年度からの医師臨床研修制度の見直し」と題して,平成十六年度に施行された臨床研修制度の見直しの経緯に触れ,平成二十七年度研修より適用予定の見直しは,二十二年度の見直しに続いて二回目となるとして,(一)研修の質の向上,(二)地域医療の安定的確保─に分けて説明.(一)では,(1)到達目標・評価の在り方(2)研修診療科(3)基幹型臨床研修病院の在り方(4)臨床研修病院群の在り方(5)基幹型臨床研修病院の指定の際必要な症例(6)中断,再開・キャリア形成支援─の項目ごとに課題及び見直しの方向性についてその概要を紹介した.その中では,(1)到達目標・評価については,次回(平成三十二年)見直しに向け,別途,臨床研修部会の下に検討の場を設けて見直すという結論になっているとした.
更に,田村室長は,「新たな専門医の仕組み」について,プロフェッショナルオートノミーを基盤として設計することが基本的な考え方であるとし,平成二十九年度を目安に新たな専門医の養成を開始するとのスケジュール等を示し,本年四月に第三者機関が立ち上がる予定であるとした.
続いて,吉村博邦日本専門医機構組織委員会内総合診療専門医に関する委員会委員長/全国医学部長病院長会議顧問/北里大学名誉教授が,「新しい『総合診療専門医制度』の構築に向けて(現状報告)」と題して,平成二十五年四月の「専門医の在り方に関する検討会」の最終報告を踏まえ,八月に設置された「『日本専門医機構(仮称)』設立に向けた組織委員会」の中の「総合診療専門医に関する委員会」の基本方針や決めるべき事項,総合診療専門医の医師像や留意事項,基本プログラム案等を紹介.
今後の検討課題として,(1)他領域の専門医からの移行プログラムの策定(2)総合診療医から他領域の専門医資格の取得が出来るキャリアパスの構築(3)総合診療専門医制度の事務組織の在り方(財政基盤の構築等)─などを挙げ,「今夏までにはワーキンググループをつくり進めていきたい」と述べた.
その後の協議では,事前に寄せられた質問等に対して,小森常任理事らがそれぞれ回答.「生涯教育認定講座のCC」については,生涯教育推進委員会で引き続き検討し,平成二十七年までには中間答申を出してもらうよう依頼しているとし,「医師資格証(ICカード)を利用した単位管理システム」については,医師資格証の今後の普及状況により,集計管理に役立てられるものと考えていると説明した.
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