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第1263号(平成26年4月20日) |
第6回健康・医療戦略参与会合
横倉会長/日本の臨床研究の信頼回復に向けた具体策を提言
政府の健康・医療戦略推進本部の第六回健康・医療戦略参与会合(座長:菅義偉内閣官房長官)が三月三十一日に総理官邸において開催され,横倉義武会長が参与として出席した.
同会合は,政府の健康・医療に関する成長戦略及び医療分野の研究開発に関する施策に係る重要事項の調査・検討を行うために安倍晋三総理大臣が指名した有識者により設置されたものである.
横倉会長は,ノバルティス社の臨床研究不正事件,STAP細胞の論文問題等,日本の臨床研究の信頼性を損ねる事件が相次いで発生していることに触れ,近年,日本の科学研究のガバナンスの弱さが,度々指摘されていたにもかかわらず,的確な手が打たれてこなかったことがその原因であり,国として直ちに信頼回復に取り組むべきと主張.具体的には,新設される日本医療研究開発機構に,公的資金に基づく研究の監査機能と臨床研究に携わる研究者の基礎教育や研究倫理の指導を行う機能を持たせることを提案した.
更に,横倉会長は,特区において国際展開のための新しい医学部をつくるという提案があることについて,「国際展開のために医学教育のどの部分を改める必要があるのか,まずは考えるべきである」と指摘.また,わが国の医療全体は高い水準にあるが,日本の医療をシステムとして海外に持っていく際には,相手国の事情に合わせて慎重に考えねばならないとして,拙速なアプローチに警鐘を鳴らした.
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