指導:東京慈恵会医科大学健康医学センター健康医学科教授

   池田 義雄

「成人病」から「生活習慣病」へ

 年をとったら、がん、心臓病、脳卒中などの成人病になるのは仕方がないことだと思い込んではいませんか?

 それは間違いです。がんについてはいろいろな説があるものの、心臓病、脳卒中の原因となる動脈硬化は、かたよった食事、不規則な生活、運動不足、ストレス、喫煙といった、若いころからの生活習慣が大いに関係しています。これらの生活習慣を早めに改善すれば、予防も十分に可能なのです。
 そこで厚生省は、健康管理を重視する意味で、従来の「成人病」を「生活習慣病」と呼ぶように提案しています。

「ある日、突然!」
…そうならないためには

 痛みや発熱があれば、誰でも体の異常に気付きます。でも生活習慣病は、自覚症状がないままじわじわと病状が進行していくのが特徴です。そしてある日突然、脳卒中や心臓病の発作に襲われる…。

 そうならないためには、できるだけ若いうちから定期的に健康診断を受け、体がどう変化していっているか、継続してチェックすることが大切です。早く異常がみつかれば、それだけで予防策も立てやすくなります。
 定期健診は、生活習慣病を早期にみつけるための大がかりな聴診器のようなものです。できれば半年に一度、少なくとも一年に一度は、すすんで受けるようにしましょう。

健やかな老後をめざして

 日本は世界でも有数の長寿国となりました。天寿を全うするそのときまで、心身ともに健やかにすごしたいと、誰もが願っています。そのためには、いまから自分の健康は自分で守るという心構えが必要です。



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