指導:日本医師会広報委員(神奈川県大和市・雪外科医院) 雪下 國雄 |
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―3-3-9度方式 |
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倒れている人を見たら、まずその意識障害の程度を確認しなくてはなりません。わが国では3-3-9度方式といって3段階9レベルの意識障害に分類されることが一般的です(図1)。一見ふつうに見えてもどことなくはっきりしない1桁の意識障害から、刺激を加えても覚醒しない3桁の意識障害まで、その程度はさまざまです。いずれにせよ意識障害があると思われる場合には、まず救急車を呼んで、それが来るまでの時間、落ち着いて対処することが大切です。 | ||
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脳の細胞は血液が送られない状態が4分以上続くと、もはや正常な状態に戻ることができなくなります。救急車が到着するまでの間に、まず呼吸しているか確認します。患者さんの口元に頬を寄せて息が当たるか、呼吸音が聞こえるか、胸が上下に動いているかなどを確かめます。舌が落ちこんで呼吸を妨げている場合もあるので、片手で額をおさえ、もう一方の手で下顎を持ち上げて気道を確保します。 患者さんが呼吸をしていない場合には、速やかに人工呼吸を開始します(下図)。脈がない場合には、両手に体重をかけて患者さんの心臓を押す心臓マッサージをしなければなりません。とにかく最初の4分間が勝負です。 |
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救急救命処置ができる |
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最近になって救急車には救急救命士が乗り込み、医師の指示により点滴や器具を用いての気道確保、人工呼吸もできるようになったので、救命の可能性も一段と高まりました。しかし発見者の即座の気道確保、人工呼吸などの対応が第一であるのは変わりません。いつ身近な問題になるのかわかりませんから、日頃から対処法を頭に入れておいてほしいものです。 |
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