指導:結核予防会結核研究所所長

   森   亨

意外でしょうが・・・

 かつては「亡国病」と恐れられた結核も、医療や生活水準の向上のおかげでずいぶん少なくなりました。しかし、それでも日本ではいまなお、毎年4万5千人の患者が新たに発生し、3千2百人もがこの病気で命を落としているのです。欧米の先進国と比べると、日本はまだ20年〜30年も遅れた「結核高蔓延国」なのです。

お年寄りや慢性疾患患者は特に注意

 しかも最近、その結核の減り方が鈍くなり、また、重症で発病する人が目立つようになりました。健康にあまりにも無関心な人が多いこと、お年寄り、あるいは糖尿病などで免疫力が落ちた人に集中的に結核が起きやすくなったこと、医療の現場でも結核が忘れられがちなこと、などがその原因です。

結核を予防するには・・・

 まだまだ油断のできない結核、その予防の決め手は次のとおりです。

  1. 赤ちゃんには早めにBCG接種を。
  2. 日頃の健康チェックを。せきやたんが2週間以上も続いたら「かぜ」「たばこのせい」とかたづけないで、かかりつけの医療機関へ。また、定期検診も忘れずに。
  3. 家族や友人・同僚が結核にかかったら、進んで検診を。若い人ではツベルクリン検査も必要です。保健所からのお知らせに注意してください。
  4. 表のような人は、特に結核を発病しやすいので、日頃からの注意とかかりつけ医師の指導が重要です。


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