指導:前 東京慈恵会医科大学産婦人科教授
 
  寺島 芳輝 

「がん検診」の現状
 現在までわが国では、胃がん、子宮がん、肺がん、乳がんなどの「がん検診」が市区町村などで定期的に行われてきました。全国で年間延べ約2,300万人が受診しています。その他にも自主的に受ける「人間ドック」や、職場での検診を含めるとさらに多くの方々が検診に参加していることになり、がんへの関心の高さを示しています。なかでも最も普及している子宮頸がん検診は、全世界で年間およそ3,500万人が受診していると推計されます。

死亡原因の3分の1はがん
 平成9年のわが国におけるがんによる死亡者は約27万5千人、全死亡に占める割合は約30%で死亡率第1位です。3人に1人ががんで亡くなっていることを考えると、各自が食生活や環境に関心を持ち、積極的にがん検診を受けるなどの対策が必要です。

がん検診は健やかな明日への乗車券
 がんの種類は違っても“早期に発見して早期に治療すれば治る”という点は共通しています。例えば子宮頸がんでは早期に発見すれば、妊娠など性機能を残したまま、おなかを切らずに外来通院で治すこともできるのです。
 高齢化社会では高齢者特有のがん、治りにくいがん、複数の臓器のがん(多重がん)などが増えてくることが予想されます。しかし、診断技術の進歩で、ごく初期のがんでも発見できるようになりました。年に1回、定期的に検診を受けておく−−−それは“健やかな明日への乗車券”となるのです。

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