指導:発達協会王子クリニック院長
   石崎 朝世

意外に身近な「不登校」
 不登校は今や決して珍しい現象ではありません。マイナスイメージとしてとらえず、むしろ子どもの何らかのサインと考えるべきでしょう。
 不登校には、人間関係が希薄で学歴を偏重する大人の世界の反映、偏差値を重視した学校、いじめ、家族関係の不安定さ、親の過保護・支配などさまざまな原因があり、それぞれの場合で違っています。ときには学習障害や多動(著しい落ち着きのなさ)などの子どもの発達上の問題があって、学校になじめない子もいます。

こう対応しよう
 不登校の初期のサインは、身体の不調を訴えたり行きしぶったりすることです。「不登校」だと思ったら、子どもが不安定にならないような家族の接し方がまず第一に必要です。親は子どもを支持し、リラックスさせ、成長を見守る態度を保ちましょう。
 ただし、暴力は決して認めてはなりません。過剰に理解を示すことも一種の責任回避となり子どもの心を動かしませんし、本当の解決には結びつきません。状況に応じた対応が大切です。

医学分野でもお手伝い。専門家に相談を
 不登校は、社会、教育、家族の問題ばかりでなく、医学の問題でもあります。家族だけで抱え込まずに、児童相談所、教育相談機関のほか、児童精神科医、話しやすい小児科医などに相談をしてください。発達段階の心身の問題を医学的にも理解することで、解決の糸口が見つかることが案外多いのです。

A4サイズのプリントアウト用レイアウトが必要な場合は、下のボタンでダウンロードして下さい。

347K
1.2M
131K