指導:東京都立広尾病院呼吸器科部長
   川上 雅彦

どうやってやめたらいいの?
 禁煙の意志を持つことがまず必要です。たばこの害を具体的に知ることがその助けとなるでしょう。禁煙に踏み切れない人も、いつも禁煙のことを考えていると、いつかその気持ちが高まるときが来るはずです。
 たばこは日を決めて一気にやめるのがよいのです。本数を少しずつ減らすやり方は、途中で決心がくずれやすいものです。弱いたばこに変えても解決になりません。「たばこゼロ」の日を一日一日と重ねて、たばこに依存しない心と身体をつくることが大事です。

吸いたくならないために
 下表を参考に自分に合った方法を考えましょう。禁煙の辛さのピークは最初の数日間。つい一本吸ってしまったら、「禁煙をやめたわけではないのだ」と口に出してみましょう。
 禁煙指導をする病院が増え、ニコチンガムなどで比較的楽に禁煙する人も増えています。

表 吸いたい気持ちを紛らわす方法のヒント −自分に合った方法を考えよう−

●喫煙と結びついている行動を変えよう

  • 食べ過ぎない。
  • 脂っこいものを避ける。
  • 食後はすぐ食卓を離れる。
  • コーヒーや酒類を控える。
  • 宴会を避ける。
  • ストレス、過労、夜更かしを避ける。

●禁煙しやすい環境づくりをしよう

  • たばこ、ライター、灰皿などを処分する。
  • 吸いたくなる場所(パチンコ、喫茶店など)を避ける。
  • たばこが吸えない場所(映画館、図書館など)を利用する。

●吸いたくなったらかわりの行動をしよう

  • 深呼吸をする。
  • 砂糖不使用ガムや干し昆布を噛む。
  • 手の寂しさを紛らわすこと(趣味、手仕事など)をする。
  • 水、フルーツジュース、牛乳を飲む。
  • 果物をよくとる。

再喫煙にご注意
 禁煙しても一年後には喫煙を再開している人が意外に多いのも事実です。たばこに嫌悪感を持つまでは、断じてたばこに触らないようにしましょう。万一再開してしまったら、貴重な経験として次の禁煙に生かしましょう。だんだん禁煙が上手になるはずです。

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