白クマ
日医白クマ通信 No.1033
2008年10月30日(木)


定例記者会見
「医療・介護費用のシミュレーションに日医の見解示す」
―中川常任理事

 中川俊男常任理事は、10月29日の定例記者会見で、社会保障審議会国民会議サービス保障(医療・介護・福祉)分科会(10月23日開催)で示された「医療・介護費用のシミュレーション結果」ならびに同会議の最終報告取りまとめに向けた日医の見解を表明。社会保障国民会議が取りまとめる最終報告の政府内での位置づけがどのように変化するのか、今後の推移を冷静に見守りたいとするとともに、今回のシミュレーション結果も淡々と受け止めるに留めたいと意向を示した。

 また、最終報告取りまとめに向けては、シミュレーションの前提および結果について、以下のような問題点を指摘し、再検討を求めた。

 まず、社会保障国民会議の中間報告のなかで、「選択と集中」の考え方に基づき、構造改革を進めるとあることについては、シミュレーション結果は医療費の増加を示しているものの、医療機関の淘汰を前提としており、医療費の全体的な引き上げを保証したものにはなっていないと指摘。医療資源、特に人的資源を確保できない地方の中小病院が閉鎖されている実態もあることから、地域医療を守るためにも、まず医療費の全体的な底上げを要求したいとした。

 診療所に関しては、医療・介護費用に占める関連費用の割合が、2025年にも変わらず32%と推計されていることを問題視。外来中心から在宅医療中心へと機能転換が求められるなかで、その有り様は大きな変容を迫られていることから、身近な医療機関としての診療所が果たしてきた機能をきちんと評価すべきと主張した。また、「主治医機能の強化」ということが示されていることについても、厚労省が示す「総合医」「総合科」構想と結びつく懸念を示し、そのことによって、住民、患者のフリーアクセスを阻害することがあってはならないと述べた。

 さらに、今回のシミュレーション結果については、国民、患者、医療関係者に希望を与える反面、財政当局に医療費増加の危機感を与え、かえって医療費の抑制が強められることになりかねないとし、今回の結果が医療費抑制の根拠とならないよう注視していきたいとした。

 また、分科会の資料に「改革を実際に行う場合には、『具体的な改革の道筋(工程表)を明らかに』する」とあることについては、その作業を厚労省が行うことになると推察されることから、国にとって都合のよい内容が優先的に進められないよう監視したいとした。

 会見の最後に、同常任理事は、厳しい医療費の抑制のために、医療崩壊が現実化していると改めて国の対応を批判。その政策の撤回を求めるとともに、国民の合意が得られるまで、医療・介護のあるべき姿を練り直す必要があるとの考えを示した。

◆問い合わせ先:日本医師会総合医療政策課 TEL:03-3946-2121(代)

◇定例記者会見資料はこちらから
 ⇒ http://www.med.or.jp/teireikaiken/


  日本医師会ホームページ
http://www.med.or.jp/
Copyright (C) Japan Medical Association.
All rights reserved.