白クマ
日医白クマ通信 No.1076
2008年12月25日(木)


定例記者会見
「2009年度予算の政府案に対する日医の見解示す」
―竹嶋副会長、中川常任理事

竹嶋康弘副会長


 竹嶋康弘副会長、中川俊男常任理事は、12月24日に2009年度予算の政府案が閣議決定されたことを受けて、同日、記者会見を行い、政府案に対する日医の見解を明らかにした。

 竹嶋副会長は、まず、社会保障費の年2,200億円の機械的な抑制が、2009年度の予算案でも継続されたことについて、「日医はその撤廃を強く求めてきたが、それが実現できず、残念であった」としながらも、「実質的な削減額は与党議員、とりわけ自民党の厚生労働関係議員が、政府に強く働きかけてくれたおかげで、後発医薬品の使用促進による230億円にとどまる見通しとなった」と述べ、その協力に対する感謝の意を示した。また、重要課題推進枠のなかから、775億円が社会保障等に充当されることになったことにも触れ、「これを高く評価したい」とし、引き続き、地域医療の再建に向けて、社会保障費の削減の撤廃を強く求めていく考えを示した。

 中川常任理事は、社会保障費の年2,200億円の削減問題を改めて振り返って、「基本方針2006」までの過去5年間においては、社会保障費が機械的に年2,200億円削減されてきたわけではなく、厳しい財政構造改革のもと、結果として、5年間で1.1兆円が削減されることになったと説明。また、「基本方針2006」でも「医療については、医療保険制度改革の直後であることも踏まえ、今後5年間の幅のなかで見直す」とされているにも関わらず、財務省は、予算編成過程で、年2,200億円の機械的な削減を強いてきており、極めて意図的なものを感じるとその姿勢を批判。さらに、「基本方針2001」のなかに示された医療費の総枠管理が頓挫したことを例に挙げて、基本方針に掲げられている施策が、必ずしも計画どおりに実施されてきたわけではないとし、この点からみても、財務省が年2,200億円の機械的な削減にこだわる合理的な理由はないとした。

 また、今後について、同常任理事は、2011年度まで削減が続いてしまえば、財務省は過去10年間(2002〜2011年度)の改革実績を根拠に、その後の10年間(2012〜2021年度)もさらに削減を継続せよと迫ってくることが懸念されると危惧。社会保障費の削減が限界に来ていることは明らかであり、予算編成上の歪みも生じていることから、政府に対して、社会保障費の削減撤回という「英断」を強く求めていきたいとした。

◆問い合わせ先:日本医師会総合医療政策課 TEL:03-3946-2121(代)

◇定例記者会見資料はこちらから
 ⇒ http://www.med.or.jp/teireikaiken/


  日本医師会ホームページ
http://www.med.or.jp/
Copyright (C) Japan Medical Association.
All rights reserved.