白クマ
日医白クマ通信 No.1118
2009年3月27日(金)


北海道小樽市医師会
「市立小樽病院オープン病棟開設40周年記念講演会・祝典を開催」

唐澤会長

 小樽市医師会(城守会長)は3月21日にグランドパークホテル小樽で、市立小樽病院オープン病棟の開設40周年を迎える記念講演会と祝典を160名の聴衆を集めて開催した。

 昭和39年に当時の日本医師会会長武見太郎先生が病診連携と生涯教育のため医師会病院の設立を提唱したのに応え、小樽市医師会は市立小樽病院内にオープン病棟を併設する方式を選択した。当時の安達与五郎小樽市長(医師で市内に医院を開業していた)の積極的な後押しを得て市立小樽病院にオープン病棟が37床の病棟として昭和44年1月に発足した。これは公立病院として日本では最も早い設立であった。以来40年にわたって地域のかかりつけの医師が自ら主治医を務め、外来・入院を一貫として継続的な医療を提供してきた。現在では他の医療機関の二次救急受け入れ体制の縮小の影響も受け救急患者の収容先ともなるなどますます重要性を増している。また昨年オープン病棟は「地域医療体制の確立及び医師の生涯教育に貢献した病院」として、日本医師会の最高優功賞を受賞している。

 記念講演には日本医師会会長唐澤人会長をお迎えし、「地域医療提供体制の将来像」と題してご講演いただいた。超高齢社会を迎えている日本の社会保障制度から説き起こし、家族関係の変遷、地域社会の広域化などを取り上げ、今日ますます地域医療の重要性が増していると指摘された。しかしこれからは旧来の疾病の枠を越えた包括的な地域医療提供基盤が必要で、そのような基盤があってはじめてお年寄りをはじめとした住民の暮らしを支えて行くことが出来るとした。また今後国民皆保険制度の一層の充実をはかり、その下で疾病予防と保健事業が様々な年齢、就学・就業環境などにおいて取り組まれるべきでありその際まさに地域での取り組みが最も重要となると指摘された。日本医師会はそのために質の良い医療サービスを提供し、心身両面の満足を得られるよう努力していきたいとお話を結び、満場の聴衆に大きな感銘を与えた。なおオープン病棟開設10周年には武見太郎先生が、同20周年には羽田春兔先生が小樽を訪れており、現職医師会会長に祝福していただくのは今回で3回目になる。

 講演に引き続く祝典ではこれまで長年にわたってオープン病棟を支えてきた市立小樽病院院長鈴木隆先生、同総婦長原田悦子氏をはじめ山田勝麿小樽市長などに感謝状が渡された。受彰者を代表して前小樽市医師会会長橋昭三先生が挨拶し感謝の言葉を述べ、またオープン病棟を支えてきた諸先輩の功績を称えた。

(文責:小樽市医師会広報担当理事 村一郎)

◆問い合わせ先:小樽市医師会 TEL:0134-22-4111


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