白クマ
日医白クマ通信 No.1122
2009年4月2日(木)


定例記者会見
「死亡時画像病理診断活用に関する検討委員会が第二次中間報告」
―今村聡常任理事

 今村聡常任理事は、4月1日の定例記者会見で、死亡時画像病理診断(Ai=Autopsy imaging)活用に関する検討委員会が取りまとめた第二次中間報告の内容を説明した。

 本委員会は、平成19年度に設置され、平成20年3月には、(1)Aiセンターの展開、(2)幼児死亡に関しては原則全例に施行―などの提案と、(3)事例の不足、(4)費用の医療費以外からの拠出―などの検討課題を提言する内容の中間報告を取りまとめている。

 これを踏まえ、今期は、昨年9月、「死亡時画像病理診断(Ai)の実態の把握及び、剖検との組み合わせを基本とした、死亡時医学検索の具体的な展開の方途についての提言」という会長諮問を受け、Aiの可能性や位置づけについて議論を行うに当たり、実態を把握すべく、一般病床を有する病院6,150施設に対しアンケートを実施し、検討を行ったものである。

 第二次中間報告は、(1)はじめに、(2)具体的検討に向けた課題の整理、(3)アンケート調査結果、(4)今後の展開の方途、(5)おわりに―からなり、巻末付録として、「死亡時画像病理診断(Ai)に関するアンケート集計結果」が添付されている。

 (3)では、有効回答数は2,450施設(有効回答率39.8%)で、Aiを施行したことのある施設(以下A群)は876施設(35.8%)。Ai使用に際しての問題として最も回答が多かったのは「費用」で、A群が60.3%、施行したことのない施設(B群)が60.7%であった。さらに、費用に関してはA群の52.0%(855施設中445施設)が自施設からの持ち出しで賄ったことがあり、そのうち79.3%、A群全体の41.3%(353施設)が自施設のみで賄っていた。また、自施設のみで賄った施設を含め、64.3%が、実際に支払われた金額では不十分と回答した。さらに、実際の受領金額と、適正金額と思う額には乖離があることなどが明らかになった。

 今後の展開の方途としては、各都道府県へのAiセンターの設置が望ましいが、時間的・地理的問題等もあり、現在千葉大学で試みられている遠隔診断など、Aiのネットワークの構築が肝要としている。「読影技術」「法的問題」といった、その他の問題の中では、特に読影に関し、報告書に対する責任問題や、死体に対する事例の蓄積のないままでの読影の不安が大きいため、ガイドライン等の早急な策定が必要である。また、死亡時医学検索の検査の一つとしてのAiの確立は、「司法や行政主導ではなく医療関係者主導で行われなければならない」と指摘している。

 同常任理事は、千葉大学の例における千葉県医師会の積極的な協力に触れ、県医師会の役割が重要との認識を示した。また、関連学会等と緊密な連携を取りながら、今後、幼児死亡への全例施行など具体化していきたいとの意向を明らかにした。

◆問い合わせ先:日本医師会医療安全対策課 TEL:03-3946-2121(代)

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