日医白クマ通信 No.121 2005年5月21日（土）

第５回第IX次生命倫理懇談会 尊厳死について議論

第IX次生命倫理懇談会（座長＝高久史麿日本医学会長）の第５回会議が、５月18日に日医会館で開催された。 　本懇談会は、植松治雄会長からの諮問「ふたたび終末期医療について」に関し、終末期医療、緩和医療、在宅ホスピスなどについて議論を重ねている。今回のテーマは「尊厳死」。井形昭弘日本尊厳死協会理事長を講師に迎えての講演「健やかに生き、安らかに死ぬために」の後、引き続き各委員と意見交換が行われた。 　井形氏は、日本と海外の尊厳死の歴史を比較し、本人の意思を尊重するという共通点はあるものの、オランダやベルギー等では安楽死や自殺幇助が認められているのに対し、日本尊厳死協会が提唱する尊厳死はあくまでも自然死であることを強調。また、患者さんが尊厳死を希望していても、意思表示のないことや家族の反対などにより実現できない日本の現状に触れ、尊厳死の立法化が必要であると説いた。