白クマ
日医白クマ通信 No.1258
2010年3月11日(木)


定例記者会見
救急災害医療対策委員会答申「医師会JMAT構想を提案」
―石井常任理事

定例記者会見


 石井正三常任理事は、3月10日の定例記者会見で、3月4日に唐澤人会長に提出された救急災害医療対策委員会(小林國男委員長)の答申について報告した。同委員会は、平成20年7月23日に、「1.救急災害医療における連携のあり方」「2.医師会の災害時医療救護対策」について会長諮問を受け、2年間の検討結果を答申としてとりまとめた。

 同常任理事は、I.救急災害医療における連携のあり方、II.医師会の災害医療対策、おわりに―から構成されている答申の概要を説明した。

 Iでは、「1.医療と消防の連携」として、平成21年5月に公布された改正消防法を踏まえ、MC(メディカルコントロール)体制への参画・関与等、各医師会に対して、連携に向けた一層の努力を求めている。また、その是非も含めて日医内外での議論を喚起するために、救急救命士の業務の場所の拡大を提議している。

 次いで、「2.救急医療体制のあり方」では、「病床確保問題等の解決のための後方体制の整備充実」「一般救急医療関係者と周産期、小児、精神科関係者が議論、情報交換できる場の設定」「全国の救急医療情報システムの状況を検証する場の設置」等について、日医から国に要望することを求めると共に、ドクターヘリやドクターカーについて言及している。

 IIでは、日医に防災行政参画を求める一方、災害発生直後において、被災現場等での災害医療活動を実行する能力が日医に備わっていない現状を指摘。日医の名の下に、都道府県医師会が郡市区医師会を単位として編成し、被災地で活躍する災害医療チームである “JMAT”(Japan Medical Association Team)(以下、「医師会JMAT」)構想を提案している。医師会JMATは、災害発生後に日医から都道府県医師会への要請に基づき待機・出動し、DMAT(Disaster Medical Assistance Team)及び被災地医師会との間で役割分担、有機的連携を行いつつ、主に災害急性期の医療、被災地医師会等との協力、活動支援を担うものであり、巻末には「医師会JMAT基本方針」が示されている。

 さらに答申では、医師会JMAT構想の延長線上にあるものとして、将来的には日医の国際貢献にも資するべきとして期待を寄せている。

◆問い合わせ先:日本医師会地域医療第一課 TEL:03-3946-2121(代)
◇関連資料はこちら⇒PDF(592KB)


  日本医師会ホームページ
http://www.med.or.jp/
Copyright (C) Japan Medical Association.
All rights reserved.