白クマ
日医白クマ通信 No.1304
2010年7月23日(金)


特別記事
アメリカの医療制度に対する処方せん
A Prescription for America's Health Care System
Cecil B. Wilson

 本年6月12日から16日まで、 米国シカゴでアメリカ医師会(AMA)の年次総会が開催された。 本記事は、15日のAMA会長就任式で、 ウィルソン新会長が行った就任演説を翻訳したものである。
 全米各州や専門学会からの代表、AMAの歴代会長、海外来賓らが列席するなか、ウィルソン氏は、さまざまな意見の相違を乗り越えて、 医師が一致団結して改革の舵取りを行うことの重要性を訴えた。
 オバマ大統領の医療保険改革が注目されるアメリカへの処方せんは、我が国にも当てはまるものがあるのではないだろうか。

(日本医師会副会長 横倉義武)

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 ご存知の方もいらっしゃると思いますが、私はジョージア州南部で、メソジス ト派の牧師の息子として育ちました。そして巡回牧師の伝統に従い、数年ごとに 引越しを繰り返しました―州内全域の町から町へ、教会から教会へと、移動し たのです。子どものころ、私たち兄弟が学校に行くために家を出ようとすると、 父のウィルソン牧師が必ず次のような一言をかけてくれたのを、今でも思い出し ます。「おまえたちが家族全員の代表であることを忘れないように、きちんと行 動しなさい。」

 行動の指針となるこの簡潔な言葉が、大学とメディカルスクールで過ごした学 生時代、航空医官になった米国海軍の兵役時代、さらにフロリダでの医師として、 個人としての生活を通して、私をこれまで導いてくれました。今日でもこれが私 の行動の指針であり、今後もアメリカ医師会(AMA)の代表として全国をまわる にあたり、常にこの言葉に従っていきたいと思います。私は今―これまでと同様 ―医療に携わる者全員の代表であることを決して忘れないと、皆さんにお約束し ます。そしてしかるべく、きちんと行動することをお約束します。

 人生には、機会と責任がつきものです。そして私たちが選んだ天職である医師 という職業ほど、機会と責任に満ちた職業は他にありません。医師として、私た ちには治療する機会と、害を及ぼさない責任があります。病人を世話する機会と、 できる限りのケアを提供する責任があります。そしてこの歴史的状況のなかで、 私たちにはわが国の医療制度を医師の承認に耐えうるものにするという機会と、 明確で断固とした建設的意見を制度に生かすという責任があります。

 今日ここで何を話そうかと考えていた時、大好きなセーリングのことが頭に浮 かびました―海軍の兵役時代には、海と船の魅力を封印していました。フロリ ダで暮らす楽しさのひとつに、海が近くてヨットに乗るのに便利なことがありま す―なるべくなら、誰か他の人のヨットがいいですね。私はこれまでに何度も 沖に出て、海には浅瀬があること、風は変化しやすいことを学びました。浅瀬に 乗り上げたことも、強風に翻弄されたことも、凪でまったく進めなくなったこと もあります。

 セントピーターズバーグからフロリダ湾を横断してキーウェストに向かったセ ーリングの経験についてお話したいと思います。夕方、私たちの船は航路を外れ、 湾の真ん中で浅瀬に乗り上げてしまいました―850平方マイルの大海原の真っ 只中です。何とか浅瀬から逃れようと、帆を上げたり下げたり、補助エンジンを かけたり、錨を下ろしてウインチを使って船を引っ張ったりしようとしました。 しかし、全く動きませんでした。ヨットを揺り動かそうとして、クルー全員が片 側から反対側まで走ったりもしました―左舷から右舷へ走り、また戻る、次は 船首から船尾へ走り、また戻る、という具合です。ところで、クルー全員が医者 だったことはまだ話していませんね?幸いなことに、これは「You Tube」が登場 する前のことでした。そうでなければ、私たちの噂は一気に広まっていたかもし れません。この無駄な苦労の間に、救命ボートも下ろしたのですが、それは漂い ながら流れて行きました。クルーのひとりが飛び込んでボートまで泳ぎ、乗り込 んでみると、オールがありません。救命ボートは彼を乗せたまま、風に吹かれて 海の彼方に流されそうになりました。別のクルーがオールを持って飛び込み、流 されていく救命ボートに泳ぎ着きました。このふたりが疲れ果ててヨットに戻っ てきたのは、2時間後のことです。6時間後、上げ潮に助けられてヨットは浅瀬か ら自由になり、旅を続けることができました。

 この出来事は、医療制度改革に向けた私たちの道のりを思い起こさせます。行 動計画を手に船出したもの、時々コースから外れたり、前に進めなくなったりし ました。しかし最終的に、この国は目的地にたどり着いたのです。

 全米のAMA会員と話すうちに、私はほとんどの医師が医療制度改革の中心的原 則には反対していないことに気付きました。むしろ、医師たちはこれらの原則の 解釈に、そして改革推進に使われている戦略や方策に反対しているのです。私た ちの針路のとり方、帆の広げ方、進む速度に納得していない医師もいました。異 なった目的地を模索する医師もいました。しかし、全員が真剣に考えていました。 私にとって、これらの改革はとっくに期日を過ぎた第一歩です―わが国のより よい医療制度に向けた、第一歩にすぎないのです。この法律は完全なものではあ りませんが、数百万人の人々にとって、医療を受けやすくし、補償範囲の信頼性 を高めます。この法律により、保険会社の責任がより大きくなります。健康維持 と予防医療が強化されます。

 これらは小さなことではないのに、議論のなかでは、責任の追及や党利優先の 考えや単純な怒りばかりが目立ち、何が正しいのかが見失われがちです。よく言 われることですが、「真摯な批判ほど受け入れることは難しい」のです。特に、 親戚、友人、同僚、知り合い、あるいは見知らぬ他人から指摘されるとそうなり ますね。これで抜けている人はいないでしょうか?

 私は、補修すべき垣根、請け合うべき約束、癒すべき傷があることを十分承知 しているつもりです。また、過去にとらわれていては、浅瀬に乗り上げるリスク があることも自覚しています。私たちのエネルギーは、医師と患者にとって最善 の医療制度改革を行うために費やされるべきなのです。私たちはこれまでになく、 私たちの職業にとって最善のことに注目し、しかるべく、きちんと行動する必要 があります。

 もちろん、「言うは易く行うは難し」です。これは複雑な制度で、多くの利害 関係者が関与しています。そして私たちの日常の仕事も、また複雑です。しかし、 その複雑さを忘れることがあります。考えてみて下さい。医師は、60,000以上の 診断、11,000種類以上の手術方法、4,000種類以上の薬剤から選択しなければなら ないのです。医師にかかるプレッシャーは相当なものです。そしてその責任を私 たちは進んで受け入れています。

 しかし、もっと良い医療を行えることに気づかなければなりません。国家公務 員から保険業者、患者に至るまで、私たちは皆もっとうまくやれるのです。

 さて―今夜は、医師がいます。私のことです。そこでわが国の病める医療制 度に対して、私はいくつかの処方せんを書きたいと思います。

 まず、医療制度改革を成功させるために私たちが直面している、最大の課題4 つから始めることにしましょう。

 1つ目は、医療過誤責任です。今日、米国の医師の75%が防衛的医療を強いられ ているという調査結果があります―患者ケアを改善するよりも、起こされるか もしれない訴訟から自身を守る必要にかられて、より多くの検査や治療を実施し ているのです。このために、医療制度から年間1,260億ドルが費やされています。 医療制度改革法は、この問題を認めていますが、まだ解決には至っていません。

 最終的には、非経済的な損害に対する賠償額の上限を設けることが、医療過誤 責任の改革を成功させる最上の策なのです。カリフォルニア州では、この上限が 30年以上も効果を発揮していますし、今日ではテキサス州、ルイジアナ州など他 の州でも効果を発揮しています。

 そこで私の処方せんは、賠償額の上限です。賠償額の上限を設けることはAMA の方針であり、効果が実証済みの唯一の処方せんです。加えて、医療裁判、行政 による補償制度、初期の提案モデル、最善の治療に従う医師のための「セーフハ ーバー」のような、別の改革も検討する必要があります。

 次に医療費の問題です。何も変わらなかったとすると、米国は2020年まで年間 4兆4000億ドルを医療に費やすことになります。これをわかりやすくしてみましょ う。年収80,000ドルの4人家族の場合、その収入の4分の1を医療に費やす計算にな ります。これでは持ちこたえることは出来ません。

 私の処方せんは次のようなものです。経費を抑え、医療費から最大限の効果を 引き出すための、包括的な計画が必要です。そのような計画がなければ、改革は 失敗します。AMAは、経費を抑制するために4つの大まかな戦略を明らかにしまし た。

 次に、医療費高騰の原因のひとつにもなっている、非効率的な治療の提供に注 目してみましょう。断片的な医療から、比較有効性の研究データの欠如まで、現 行制度にはさまざまな非効率が蔓延しています。過剰に利用されているサービス がある一方で、十分に活用されていないサービスもあります。

 私の処方せんは次のようなものです。患者が適切な時に、適切な場所で、適切 な治療を確実に受けられるようにすることに、重点を置きます。すなわち、次の ことが必要になります。

 もうひとつの課題は、非常に身近な問題で―メディケアの償還の危機です。 非常識な支払いの方程式であるSGR(持続可能成長率)のために、年々、医師は 償還額のカットに脅かされています。そして年々、医療提供および経営コストは 上昇し続けています。実際の経費とメディケアからの支払い額との格差は、フロ リダでよく使われている表現を用いると、まるでワニが口を大きく開けているよ うなものです。そして高齢者が利用しようとすると、ワニは口をピシャッと閉じ る準備ができています。

 私の処方せんは、SGRを廃止することです。船外へ投げ捨てて、かわりにワニ の餌にしようではありませんか。21世紀にはSGRの代わりに、医療提供に要した 実際の経費を反映する支払い制度に置き換えるべきです。私たちはまた、医療ケ ア提供方法の現実に即した医師への報酬に対しても、新たなアプローチを必要と しています。たとえば、メディケアでは疾患管理の改善を推進するべきです。特 に、慢性的治療が必要な高齢者にとっては、これが重要です。

 さて、制度を改善するということは、重要な問題に取り組むことだけを意味し ているのではありません。利害関係者として、私たちが責任を果たしていくこと も意味しているのです。ソクラテスは、誰にでも助言してまわる教育者であった と言われています―そのために、毒を盛られました。このような大きな身の危 険があり、また「君子危うきに近寄らず」という警句も承知していますが、私は 今、わが国の医療制度の主な利害関係者それぞれに、処方せんを出したいと思い ます。

 まず民間部門からはじめます。米国のヘルスプラン、保険会社、製薬会社、医 療機器メーカーに対しては、次のように言います。皆さんには、医療制度に対し て特別な責任があります。私たちと同様、皆さんの製品とサービスは、患者の生 命と健康に直接影響を及ぼします。歯磨き粉や携帯電話を選べるようにするとい うような、簡単な問題ではありません。

 私の処方せんは次のようなものです。常に、単なるビジネスではないと認識す ること。業務の透明性を保ち、製品や保険約款を開発する際には、顧客すなわち 患者のニーズを第一に考えること。政府のリーダー、特に国会議員など選挙で選 ばれた公職者に対しては、次のように言います。言い争いばかりしている党利に 傾く人々が、一致協力しようという努力に水を差して、状況を悪化させています。 すべての政策決定を、さらに提案までも、30秒の中傷キャンペーン広告に変えて しまうやり方が、わが国の民主主義を痛めつけているのです。

 私の処方せんは次のようなものです。私たちの役に立つ法律を作ること。党派 間の争いを超えて進むこと。政治的な意見の対立を超えて、和解、少なくとも相 互の理解を探ること。意見の相違に寛容になること。選挙で選出された目的を果 たすような仕事をすること!何よりも、国の利益を代表していることを忘れない こと。しかるべく、きちんと行動することです。

 私の仲間の医師たちに対しては、次のように言います。今年は困難な年で、医 療制度改革のように複雑な問題では、意見の相違が生じることは避けられません。 私たちに共通の土台は大きく、私たちを隔てている溝は小さいことを、どうか忘 れないで下さい。かつて、トマス・ジェファーソンは、意見の相違すべてが原則 の相違ということにはならないと言いました。

 私の処方せんは次のようなものです。AMAを支持し、すべての医師会を支持して ください。私たちの職務の目標、直面している課題、そして患者へのサービス向 上に向けた努力にしっかり焦点を合わせるには、それが唯一の手段です。周囲の 圧力で私たちが分裂するようなことがあってはなりません。積極的に参加してく ださい。意見の相違をはっきりさせましょう。

 この職業に必要なことを勉強中の医学生と研修医に対しては、次のように言い ます。皆さんは歴史に残るこの時代に、この職業に向けて船出しようとしている のです。私たちが直面している問題は、難題というだけでなく、またとない機会 でもあることを忘れないでください。さらに、制度自体は修正する必要があるか もしれませんが、わが国の卓越した伝統は、これまで同様に非常に力強いという ことも忘れないでください。米国の医師は、医療の知識、技術、そして最新のケ アの点で、世界の最先端にいます。そして最も重要なことですが、皆さんが選ん だ職業は、極めてやりがいのあるものだということを忘れないでください。癒し、 安らぎを与え、痛みを和らげる―すなわち患者の暮らしにとって最も繊細な部 分について信頼されることは、素晴らしい栄誉なのです。私はこの仕事を始めて から30年以上たちますが、今でも患者を助けたときには、ずっと前に仕事を始め たころに得られたものとまったく同じ、強い満足感を得ている、と断言できます。

 皆さんへの処方せんは、次のようなものです。患者の話を聞くこと。きっと彼 らは抱えている問題を話してくれるでしょう。そして場合によっては、その話か ら診断が見えてくることもあります。そして、AMAに参加してください。組織的 な医療に参加してください。皆さんの受ける教育と学費の支払い方法を左右する 政策に、影響を及ぼしてください。皆さんの将来のキャリアを左右する政策に、 影響を及ぼしてください。声を上げてください。

 事業者に対しては、次のように言います。今、従業員の健康に投資することは、 長い目で見ると大きな節約になることを忘れないでください。それは健康保険の 提供に限ったことではありません。より健康的なライフスタイルの奨励も大切で す。

 私の処方せんは、次のようなものです。従業員の健康に関心を持つこと。喫煙 者に対しては、禁煙を助けること。ジムの会員権を、できればジムを提供するこ と。自動販売機のキャンディーバーやスナックの一部を、もっと健康によい選択 肢に変更すること。そうすれば、健康だけではなく、財政的にも報われます。従 業員が健康であるほど、肥満、糖尿病、癌の発生率が低く、それに伴う高額な長 期療養の必要も減るのです。

 次に、目を患者に転じましょう。患者、つまり、皆さんのことでもあります。 私の処方せんは、次のようなものです。自分が受けているケアに、責任をもつこ と。患者として、発言力をもち、学習すること。家族を保険に加入させる、主治 医を選択する、終末期ケアに関する自分の意思を文書にするなど、今、健康に関 する重要な決断をしてください。一般的な病気のほとんどは予防可能です。より 健康的な行動を取り入れるという意欲をもってください。自身の健康こそが最大 の財産です。健康を粗末にしてはなりません。愛する人たちがあなたに感謝する でしょう。

 今、私は医療の基本原則を破り、最後の処方せんを出そうとしています―私 自身に対する処方せんです。アメリカ医師会会長として、私は私たちの間にある 相違を修復するために力を尽くすことを約束します。アイザック・ニュートンは、 「私たちはたくさんの壁を作りすぎ、十分な橋を作らない」と言いました。私は この言葉を心に留めて、しかるべく、きちんと行動していくつもりです。

 このために私が計画している方法のひとつは、定期的な会議の開催などを通じ て、AMA会員の方々と話をすることです。その目的は、一部には最新の展開を皆さ んに伝えることですが、主に皆さんの話を聞くこと、すなわち皆さんの考え、提 案、質問、懸念に耳を傾けることです。これは双方向の対話になります。率直で 正直なコミュニケーションをするためには、双方向性の会話が必要です。私は話 すだけでなく、耳を傾けるつもりです。詳細については、まもなくお知らせしま す。このようなコミュニケーションが、即決を要する問題への取り組みに役立つ でしょう。

 結局のところ、この歴史的な混乱の時代に下された決断が正しかったかどうか は、時が判断してくれるでしょう。しかし私は、これらの決断が信念に基づいて おり、便宜的なものではないと断言できます。よりよい医療制度のための決断で あり、単なる現状打破ではありません。患者の利益のための決断であり、私たち の利益のためのものではありません。

 私たちは事の成り行きを支配してきませんでしたが、事の成り行きによって支 配されたわけではありません。私たちが自ら針路を決め、帆をあげ、嵐に翻弄さ れながらも舵輪を握って旅を続けました。私たちは自身の運命の決定に力を尽く してきました。さもなければ、誰かに代わって私たちの運命を決めてもらうこと になったでしょう。

 私は先ほど、海で学んだこと、海から学んだことを話しました。少し時間をい ただいて、デイトナビーチからバミューダまでのレースについても話したいと思 います。レースの3日目は、雲ひとつなく晴れわたり、気温も穏やか、雄風が吹き、 海は青く、セーリングには最高の日でした。すべての帆をあげて追い風に乗り、 16ノットで進んでいました。波が船首で砕けるたびに、大きな波の波頭に乗った かと思うと波間に落ちていきます。パーフェクトな条件に私たちは大喜びしてい ましたが、キャプテンは風が強くなったことに気づき、帆のいくつかをたたむべ きだと言いました。クルーは批判的でした。私たちは結局のところ「経験豊かな」 船乗りだと自負していたのです。沿岸警備隊のコースも受講し、天測航法も身に つけている。本格的なレジャーとして、フロリダ周辺を帆走してきた。私たちの ほうがよく知っていると。ところで、クルー全員が医者だったことはまだ話して いませんね?この「議論」は、船首から響いてきた大きなバーンという音で中断 されました。見上げると、強風のために帆が吹き飛ばされ、ずたずたになってい ました。

 ここで学んだ教訓は次のようなものです。バミューダへのクルーズは、帆走が 順調で、太陽が光り輝いている時でさえ、慎重さを欠かさずに風をチェックし、 海をチェックし、帆をチェックし、変化を予測し、そうした変化に備えなければ ならないことを教えてくれました。そしておそらく、すべての答えを知っている 人は誰もいないことを教えています。計画を怠れば、もし外からの力で私たちの 針路と速度を定められるようなことがあれば、方向も目的もないまま、最後には 力なく漂うことになります。だからこそ、AMAは改革論争の嵐の中でも、舵輪を握 り続けてきました。

 現在、私たちは組織的な医療とAMAにとって、決定的な瞬間に直面しています。 これは難題というだけではなく、またとない機会でもあるのです。全員で協力し、 私たちの間に存在する論理の相違に橋をかけましょう。そして、全員で同じ船に 乗っていることを、心に留めておきましょう。

エラ・ウィルコックスの詩を紹介します。

One ship sails east and another sails west
With the self-same winds that blow.
Tis the set of the sails
And not the gales
that tell us the way to go.

Like the winds of the sea are the ways of fate,
As we voyage along through life:
Tis the set of a soul
That decides its goal,
And not the calm or the strife.

Tis the set of the soul.

吹く風は同じでも
ある船は東へ進み別の船は西へ進む
行くべき針路を決めるのは
風ではなく
ひとそろいの帆

海風のごとく、運命の風は吹く
人生の航海の中
行く先を決めるのは
凪でも嵐でもなく

魂のありよう

 私たちは医療に携わる家族なのです。私たちの患者を代表しています。私た ちは、気持ちをひとつにして、針路を決めなければなりません。なぜなら、私 たちは力を合わせることで強くなれる(together we are stronger)からです。

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◆問い合わせ先:国際課 TEL:03-3946-2121(代)
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