白クマ
日医白クマ通信 No.1311
2010年8月12日(木)


定例記者会見
国家戦略室「社会保障・税に関わる番号制度に関する検討会 中間取りまとめ」に対する意見の募集に対する見解
―石川常任理事

定例記者会見


 石川広己常任理事は、8月11日の定例記者会見で、「社会保障・税に関わる番号制度に関する検討会 中間取りまとめ」に対する意見の募集に対する日医の見解を次のように説明した。

 現在、国家戦略室では、広く国民から意見を求めるとして、「社会保障・税に関わる番号制度に関する検討会 中間取りまとめ」(平成22年6月29日)に対する意見の募集が、8月16日まで実施されている。

 この意見募集は、「中間取りまとめ」で示した、選択肢I「利用範囲をどうするか」、選択肢II「制度設計をどうするか」、選択肢III「保護の徹底をどうするか」の中から、それぞれの選択番号を選択させ、その選択理由を記載させるという方式を取っており、社会保障・税に関わる番号制度の導入を前提としているが、「今回の中間取りまとめは、本来このような番号制度を導入してよいかの是非を国民に問うべき段階のものと考える」とした。

 番号制度を巡っては、例えば住民基本台帳ネットワークが最高裁まで争うような事案になることからも分かるように、国民生活に関わる非常に大きな課題であると指摘。そもそも、民主党は昨年の政権交代時に示したマニフェストにおいて、歳入庁の設置、それに伴う税と社会保障共通の番号の導入を掲げていたが、この件についてはその重大性に鑑み、拙速に進めるのではなく、あえてその是非を丁寧に国民に問う姿勢が求められるとの考えを示した。

 日医は、社会保障カード(仮称)の導入の議論や、内閣官房から示された新たな情報通信技術戦略の中の国民ID制度などに対して、「国民的議論の必要性」や「国民の意見に耳を傾けた検討の必要性」を一貫して主張してきており、今回の意見募集の手法に関しては、「日医として遺憾の意を述べるとともに、改めて国民の意見に真摯に耳を傾ける姿勢を政府に要請する」とした。

 最後に同常任理事は、「国民にとって大変大事なことであるにもかかわらず静かに進んでおり、しかも、こういう誘導的なパブリックコメントのあり方は大変遺憾である」と述べ、あくまでも国民的議論を優先するべきだと強調。本見解を国家戦略室に提出する考えを示した。

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