白クマ
日医白クマ通信 No.1359
2010年12月9日(木)


定例記者会見
「長期処方についてのアンケート調査」結果を公表
―中川副会長・高杉常任理事

定例記者会見


 高杉敬久常任理事は、12月8日の定例記者会見で、日医が実施した、「長期処方についてのアンケート調査」の結果を公表した。

 同調査は、北海道、茨城県、群馬県、千葉県、広島県、福岡県におけるパイロットスタディで、調査期間は、2010年9月30日〜11月5日(調査基準日10月1日)。有効回答医師数は、病院2,820人(有効回答率35.3%)、診療所1,395人(同43.6%)の計4,215人で、うち外来診療(処方)を行っている医師は3,904人であった。

 調査結果からは、
(1) もっとも多い処方期間が「5週以上」であるという医師が3割近くあり、処方期間が長期化している
(2) 慢性疾患等の患者に限ると、もっとも多い処方期間が「8週以上」であるという医師も半数近くあった
(3) 比較的長期(5週以上)の処方により「患者の容態の変化に気づくのが遅れたこと」がある医師が2割近くあった
(4) 高齢者は、長期処方中に容態が変化しても、遠慮して次回診療時まで我慢してしまうという報告もあった
―ことなどが明らかになった。

 同常任理事は、長期処方のあり方に対する日医の見解として、慢性疾患等の患者に対する処方期間が長期化しており、その結果、重篤化したとの報告もあったこと、「病状が安定している」という理由の一方で、新たな疾病の発症や、併発している疾病の重症化に気づくことが遅れるおそれがあること、また、患者の要望であっても患者の安全は最優先されなければならないことを指摘した。そのうえで、日医は、医師の責務として適切な処方期間を確保するよう自ら努めるとともに、中医協等において、あらためて処方期間のあり方を検討することを要望すると述べた。さらに、病院医師の中には「外来患者を少なくして、じっくり診療するため」との声もあったとして、「病院の多忙さが長期処方を誘発しているおそれがあるので、この面からも、病院(特に大病院)と診療所のあり方(機能)について議論を深める必要があるとした。

 同席した中川俊男副会長は、同調査を行った理由として、「長期処方を理由に病状が悪化している」との個別の事例報告が、日医にかなり寄せられていたことを挙げ、本調査の問題事例を見ても、非常に深刻な問題が少なくないことがわかったと述べた。さらに、「国の責任として、中医協等において、しっかりと調査をし、実態を正確に把握したうえで、長期処方を法的に規制すべきかどうかなどについて、しっかりと議論し、方向性を決定すべき」との考えを示した。

 なお、分析結果の詳細は、近日中に日医総研ホームページで公開予定。

◆問い合わせ先:日本医師会総合医療政策課 TEL:03-3946-2121(代)
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