白クマ
日医白クマ通信 No.1385
2011年2月15日(火)


大学病院の医療に関する懇談会
「医学部教育の見直し等で活発な意見交換」

大学病院の医療に関する懇談会


 大学病院の医療に関する懇談会が2月8日、日医会館で開催された。

 冒頭あいさつした原中勝征会長は、「医学部長・病院長の先生方と種々協議することが出来る本懇談会は非常に重要なものであると考えている」として、本懇談会の意義を強調するとともに、医学教育の改革などに向けての今後の協力を求めた。

 当日は引き続き、森山寛全国医学部長病院長会議副会長のあいさつの後、担当の鈴木邦彦常任理事の司会のもと、以下の6つの議題について、意見交換が行われた。

 (1)「医師不足・偏在の解消策について」では、中川俊男副会長が日医が先頃取りまとめた「医師養成についての日本医師会の提案」の内容を説明。医師偏在の解消に向けた第一弾として提案させてもらったものであるとして、理解を求めた。

 この提案に対して、大学病院側からは研修カリキュラムなどわれわれの意見と一致しているところも多いとして、提案に賛成する意見が出される一方、「出身大学がある都道府県で研修を行うのは無理がある」「長期的な展望と短期的な展望が混雑している」などの指摘もなされた。今回の議論を踏まえて、原中会長からは、とことん議論をして、両者の意見が一致するものを作りたいとの考えが示された。

 (2)「事故調査について」では、森山全国医学部長病院長会議副会長が、日本救急医学会の案を基に「有害事象発生時の対応フローチャート(案)」を作成したことを報告。高杉敬久常任理事からは、日医でも「医療事故調査に関する検討委員会(プロジェクト)」を設けて検討を進めており、3月には日医案を示す予定であること、また、4月3日には「更なる医療の信頼に向けて―無罪事件から学ぶ―」をテーマとした日医総研のシンポジウムを開催予定であるとの説明がなされた。

 (3)「定例記者会見の開始について」では、全国医学部長病院長会議でも、本年1月から記者会見を始めたことが、また、(4)「研修医(帰学者)に関する実態調査について」では、全国医学部長病院長会議地域医療に関する専門委員会で、77大学を対象に臨床研修修了者の帰学状況を調査したところ、平成22年は51.2%で、その数は年々減っており、基礎研究者の不足を心配しているとの報告がなされた。

 (5)「行政刷新会議規制・制度改革に関する分科会ライフイノベーションWGについて」では、鈴木常任理事が、WGより示された各府省庁が取り組む規制・制度改革事項には問題が多く、日医でもその対応を検討しているとの説明がなされた。

 中医協委員でもある嘉山孝正全国医学部長病院長会議相談役も、「非常に危険なことであり、中医協においても診療側として意見をまとめ、問題提起する予定である」との説明があり、この問題については両者が協力して反対していくことになった。

 (6)「外国人臨床修練制度の見直しに関する閣議決定について」では、森山全国医学部長病院長会議副会長から、教授・研究等の目的で来日した外国の医師等に対し、診療を認めることは問題があり、専門委員会で検討したいとの考えが示され、議論の結果、このような形で外国人医師に診療を認めることには反対していくことで、両者の意見が一致した。

◆問い合わせ先:地域医療第一課 TEL:03-3946-2121(代)


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