白クマ
日医白クマ通信 No.1430
2011年6月3日(金)


定例記者会見
「被災者健康支援連絡協議会の検討内容について」
―横倉義武副会長、石川広己常任理事

定例記者会見


 横倉義武副会長と石川広己常任理事は、6月1日の定例記者会見で、「被災者健康支援連絡協議会」の検討内容について報告した。

 本協議会は、東日本大震災による被災者の健康を支援するため、4月22日に政府の「被災者生活支援特別対策本部」(5月9日に「被災者生活支援チーム」に名称変更)の下に設置されたもので、5月30日現在、日医を始め、日本歯科医師会、日本薬剤師会、日本看護協会、全国医学部長病院長会議、日本病院会、全日本病院協会等の16団体で構成されている。

 横倉副会長は、現地のニーズを調査するとともに、2週間に1度、関係省庁を交えた情報交換を行っており、来週中にも被災者生活支援チーム(内閣府)に提言を提出する予定であることを報告。提言は、(1)情報共有のための連携支援システムの構築、(2)被災者の継続的健康管理、(3)被災地の復興へ向けた諸課題の解決、(4)財政的支援にかかる交付、(5)その他―を柱として、各団体からの要望を取りまとめているとした。

 また、現在、本協議会には、日本医療法人協会、日本精神科病院協会、日本栄養士会、東日本大震災リハビリテーション支援関連10団体など、各種団体も構成団体として参画しており、今後は地域の基幹病院の医療支援として、専門職種の派遣をしていく必要があるとの姿勢を示した。

 なお、JMAT(日本医師会災害医療チーム)の活動については、6月中旬には概ね収束するとの見方を示す一方、必要がある地域では7月以降も継続するとした。

定例記者会見


 石川常任理事は、「被災地では、いまだ9万人以上もの人が避難生活を強いられており、その長期化に伴って健康を脅かす新たな問題が次々と出てきていることから、被災者への健康支援にとどまらず、さまざまな問題に着目して検討している」としたうえで、「今後の方向性(案)」について説明した。

 同案では、「中期的な支援の骨格」として、まず、現地の状況とニーズの正確な把握を挙げ、本協議会と、関係省庁及び全国を単位とする医療関係団体並びに被災地県・市町村や、県・地域を単位とする医療関係団体の双方向の情報連携を構築し、1.住宅等施設、2.保健・医療・福祉、3.放射能、4.生活環境、5.義援金―関係の情報を把握するとしている。

 「生活支援」にかかる具体的施策としては、被災者の家族構成や、医療機関等へのアクセスを考慮した居住環境、生活援助金、生活物品の配給支援など、行政として責任を持って対応すべき点等を挙げている。

 「医療支援」では、「人口変動を考慮した医療活動環境の復旧」を目指し、被災病院・診療所の早期復旧のための残債や低利投融資、医療従事者の所得補償などの具体的施策を取り上げているほか、介護サービスの提供体制の整備も盛り込んでいる。また、「避難所、仮設住宅の住民の健康を守る巡回」「その他の山間部地域などの医療の確保」「放射能汚染への対応」などに関する課題も検討していく方針である。

◆問い合わせ先:日本医師会庶務課 TEL:03-3946-2121(代)
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