白クマ
日医白クマ通信 No.1450
2011年8月4日(木)


定例記者会見
行政刷新会議の規制・制度改革に対する日本医師会の見解(2)
「医薬品・医療機器に関する規制・制度改革」の方向性には、大筋で賛成
―羽生田副会長

定例記者会見


 羽生田俊副会長は、8月3日の定例記者会見で、規制・制度改革事項のうち医薬品・医療機器に関する事項として、「希少疾病用医療機器の市場導入促進に向けた制度の整備」「医療機器の改良改善に係る一部変更承認申請不要範囲の拡大」「医療機器における品目ごとのQMS調査制度の見直し」について、特に医療安全に関わる視点から、日医の見解を説明した。

 初めに同副会長は、厚生労働省に設置された“厚生科学審議会医薬品等制度改正検討部会”での議論の状況に触れ、「既に全体的な議論に入っているが、いわゆるドラッグラグ、デバイスラグを解消し、本当に必要な医療を早く提供して欲しいという患者さんの要望に出来る限り応えていくという方向で制度を見直しているものであり、この規制・制度改革事項の論点も同様として、大筋では賛成である」と述べた。その上で、“患者さんの安全”が最重要課題であるとし、「それを抜きにしては制度を改正することは考えられない」と強調した。

 医薬品・医療機器ともに、患者にとっての安全を考えての規制ではあるが、同検討部会でも、添付文書、臨床試験、治験等が議論の対象となっており、検討が始まっているが、安全性を確保した上で、国が関与し、国の責任の下に行われることも大事な視点であると指摘。“患者の安全”を第一とした上で、いかに早く新しい治療が取り入れられるかという視点で、日医からも意見を述べていくとの考えを明らかにした。

 また、「医薬品及び医療機器の審査手続きの見直し」に関して、同副会長は、申請・審査に時間が掛かるため、PMDA(医薬品医療機器総合機構)の人員がこの5年で約3倍に増やされているものの、FDA(アメリカ食品医薬品局)に比べれば少ないことを指摘。医薬品及び医療機器の分野が広範囲に及んでおり、人材確保に向けた審査環境の改善についても議論しているとした。

 最後に、同副会長は、閣議決定された規制・制度改革について、「日医として反対する点の多いところではあるが、医薬品・医療機器に関する分野に限っては、大筋で改革の方向性には賛成である」と述べた。

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