白クマ
日医白クマ通信 No.1541
2012年3月30日(金)


定例記者会見
「2011年病院における地球温暖化対策自主行動計画フォローアップ報告」
―今村聡常任理事

定例記者会見


 今村聡常任理事は、3月28日の定例記者会見で、「2011年病院における地球 温暖化対策自主行動計画フォローアップ報告」について説明した。

 本報告は、2008年8月に策定した「病院における地球温暖化対策自主行動計 画」について、2010年4月〜2011年3月まで(2010年度)における数値目標の 達成度や温暖化対策の取組状況を中心に、フォローアップ調査した結果を取り まとめたもので、調査対象4595病院のうち、1328病院から回答(回収率28・9 %)を得た。

 内容は、(1)フォローアップ等調査編[1)報告要旨、2)目標進捗、3)対策と その効果(目標達成への取組み)、4) CO2排出原単位及び排出量増減の要 因、5)目標達成に係る自己評価、6)医療用亜酸化窒素の排出削減対策(CO2 以外の排出削減対策)、7)地球温暖化対策の実施状況、8)地球温暖化対策によ る病院経営への波及、9)東日本大震災の影響と今後のエネルギー政策について]、 (2)アンケート実態調査編(抜粋)、(3)アンケート調査票編―3部構成となっ ており、その中では、「地球温暖化対策基本法案に関する要望」として、国内 排出量取引制度や地球温暖化対策税の創設の際には、医療機関の経営の安定性 ・持続性が担保出来るよう、診療報酬や補助金等の新しい財源制度の創設等の 配慮を求めている。

 同常任理事は、2010年度のCO2排出原単位の実績は、CO2排出原単位に 大きく影響するエネルギー消費原単位が増加したことから、前年の2009年度比 で2.0%増となり、目標とした年率1.0%減を上回ったが、基準年度(2006年度) 比では89.1%(年率2.84%削減)となっているため、平均では目標とした年率 1.0%を下回ったことを報告。今回の調査におけるCO2排出原単位増加の原 因としては、猛暑という気象条件の影響、病院の活動量を示す延べ床面積の増 加等が考えられるとした。

 さらに、同常任理事は、東日本大震災の際に、政府に病院への重油を要請す るに当たって、「2010年病院における地球温暖化対策自主行動計画フォローア ップ報告」の結果が非常に役立ったことに触れ、本調査は地球温暖化対策のみ ならず、病院における電力・重油・灯油・LPG・都市ガス等のエネルギー消 費量の実態把握にもつながること、また、電気使用量については、電気料金の 値上げに止まらず、再生可能エネルギー電気の調達による賦課金等の問題にも 対処することに寄与することから、今後も引き続き調査を続けていく考えを示 した。

◆問い合わせ先:日本医師会地域医療第二課 TEL:03-3946-2121
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