白クマ
日医白クマ通信 No.1563
2012年7月6日(金)


定例記者会見
「不活化ポリオワクチンに関する要望書について」
―小森常任理事

定例記者会見


 小森貴常任理事は、7月5日の定例記者会見で、不活化ポリオワクチン(IPV)の価格や品質、供給量に関する要望書を、同日、横倉義武会長より、ワクチンメーカーであるサノフィパスツール株式会社の代表取締役社長に手交したことを報告した。

 ポリオワクチンの予防接種に関して日医は、生ポリオワクチン(OPV)による副反応や二次感染の被害を防ぐため、平成12年7月に不活化ポリオワクチンの早期導入を強く要望する見解を公表して以来、一貫して早期導入を主張し続けてきた。今般、9月1日より、不活化ポリオワクチンへの一斉切り替えが実現することとなったが、当面、供給可能なメーカーはサノフィパスツール1社のみとなっている。

 同常任理事は、6月1日に厚生労働省が開催した「不活化ポリオワクチン導入に係る関係自治体担当者会議」において、同社の希望小売価格5,450円(税抜・1回分)が示されたことから、現行の生ポリオワクチン(2回接種)に比べて、ワクチン価格自体が高いことに加え4回接種が必要な不活化ポリオワクチンでは費用が大幅に増大することを指摘。その上で、「予防接種法第24条では、予防接種を行った者は、受けた者またはその保護者から実費を徴収することが出来るとあるが、一部負担金を取っている自治体は極めて少ない」とし、同法に基づく定期接種の実施主体である市町村の財政が逼迫する中で、実費徴収へ舵を切る自治体が増えることを危惧した。

 更に、不活化ポリオワクチンへの切り替えを待って生ポリオワクチンの接種を控えている人がいることも考慮し、早急に対象者に接種する必要があるとし、要望書では、(1)妥当な国内販売価格の設定、(2)品質の確保、(3)必要量の安定的な供給―の3点を求めていることを説明。ワクチンで防ぐことが出来る病気から子どもたちの命を守るため、今回の要望へ至ったことを強調した。

◆問い合わせ先:日本医師会地域医療第三課 TEL:03-3946-2121(代)
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