白クマ
日医白クマ通信 No.1587
2012年8月30日(木)


定例記者会見
「第4回(2012年)日本医師会員喫煙意識調査報告について」
―今村副会長

定例記者会見


 今村聡副会長は、8月29日の定例記者会見で、日本医師会委託調査研究「第4回(2012年)日本医師会員喫煙意識調査報告」がまとまったことを報告。初めに、同副会長は、1999年にWHO(世界保健機関)が医師は喫煙すべきでないと提唱して以来日医が実施してきた、「禁煙日医宣言(2003年)」「禁煙に関する声明文(2008年)」「受動喫煙ゼロ宣言(2012年)」など、医師の喫煙行動に関する取り組みについて、継時的に概説した。

 同意識調査は、日医の禁煙推進活動の一環として、過去に2000年、2004年、2008年と4年ごとに行われてきたもので、今回で4度目となる。今回の調査では、2011年12月時点の日医会員から、男性6,000名、女性1,500名の計7,500名を無作為抽出し、5,854名の有効回答(反応率80.4%)を得た。

 喫煙率は、男性12.5%(2008年15.0%、2004年21.5%、2000年27.1%)、女性2.9%(2008年4.6%、2004年 5.4%、2000年6.8%)であり、2000年の調査開始時に比べて男女共に有意に低下したことが示された。

 この他、(1)ニコチン依存者率は男性において2000年の調査開始時に比べて有意に低下、(2)女性では、40歳代、50歳代、70歳代以上で喫煙率が有意に低下、(3)女性では、サンプル数の多い、内科、小児科で喫煙率が有意に低下、(4)男性の毎日喫煙者の喫煙本数の減少、(5)医師の喫煙に陽性に関連する要因(1.男性、2.60歳代、3.月4回以上の夜勤・当直、4.毎日の飲酒習慣、5.運動習慣がない)―などが調査結果より判明した。これらの結果から、日医会員の喫煙率は男女共に減少しており、喫煙率の減少は、男性では、ほぼ全ての年齢階級、全ての診療科で観察されたとして、一定の成果が出ているとの評価であった。

 同副会長は、今回の調査結果について、男性の診療科別の喫煙率に差が大きかった一因として、日本呼吸器学会や日本循環器学会等では専門医の認定要件に「非喫煙者であること」が定められていることも関係しているのではないかと推察。ある一定まで喫煙率が下がってきたため、今後は、よりターゲットを明確にして、明らかに高い科の学会等に対して、日医から積極的な禁煙活動への取り組みを依頼するなど、具体的な戦略について検討していきたいとした。

 更に、3.の就労状況に関連し、病院勤務医の労働環境問題については、日医は勤務医の健康支援についてさまざまな方策を検討しているが、今まで以上に考えていかなければならないとした他、若年層への禁煙教育や喫煙率が高いと言われる医療関係職種への教育など、「これからも喫煙防止推進啓発活動に一層努めていきたい」と抱負を述べた。

◆問い合わせ先:日本医師会地域医療第3課 TEL:03-3946-2121(代)
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