白クマ
日医白クマ通信 No.1606
2012年10月12日(金)


世界医師会(WMA)バンコク総会学術集会
横倉会長 世界医師会(WMA)バンコク総会学術集会において座長を務める
−大阪大学大学院中村安秀教授が講演−

世界医師会(WMA)バンコク総会学術集会


 平成24年10月10日から13日にかけてタイのバンコク市で世界医師会(以下WMA)総会が開催されている。全体日程の11日の学術集会において、本会会長及びWMA理事として出席している横倉義武会長が共同座長を務めた。

 学術集会は、「メガシティ・メガヘルス?」をテーマに開催され、タイ、日本、アメリカ及びASEANからの演者による講演が行われた。

 横倉会長は、座長挨拶の中で、2011年の国連統計で、全世界には人口1,000万人以上のメガシティは23都市あり、その中で東京圏が1位で3,720万人(推計値)であることを紹介。メガシティを抱える日本において、国民の健康長寿を支えてきたのは、1961年に創設された国民皆保険による医療保険制度であることを強調した。

 次に、日本からの演者である大阪大学大学院の中村安秀教授について、母子保健の推進等、国際保健の場で積極的な活動を展開していること、また、本会国際保健検討委員会の委員、及び武見フェロー(1995年−96年)であると紹介した。

 講演では、中村教授は、「メガシティ・メガヘルス 東京の経験」と題し、日本における低い乳児死亡率の一因として母子手帳に言及。タイやインドネシア等、途上国の母子保健の改善のため、日本の母子手帳を定着させる活動を展開してきたことを説明し、その成果の一端を披露した。

 また、国連開発計画(UNDP)が提唱した「人間の安全保障」の概念を用いて東京の事例を分析した結果を示し、そのなかで、人口の20.4%が高齢者であり、20年で倍増しているとし、高齢化にどのように対処していくかが課題となっていることに言及した。

 学術集会への参加者は、40の加盟国医師会から約200名であった。

◆問い合わせ先:日本医師会 国際課 TEL:03-3946-2121(代)


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