白クマ
日医白クマ通信 No.1610
2012年11月1日(木)


中川副会長・鈴木常任理事が櫻井厚労副大臣に保険医療機関および保険医に対する指導等について要望書を提出

要望書を提出


 中川俊男副会長は10月19日、鈴木邦彦常任理事とともに厚生労働省を訪問し、櫻井充厚労副大臣に「保険医療機関および保険医に対する指導等について」の要望書を提出した。

 保険医療機関および保険医に対する診療報酬の請求等に関する指導は、「指導大綱」(平成7年12月22日付保発第117号厚生省保険局長通知)に基づき実施されているが、さまざまな問題があるとし、以下の5項目を要望書にまとめた。

 (1)個別指導数を毎年8,000箇所としている数値目標のあり方の再検討、(2)「類型区分ごとのレセプト1件当たりの平均点数が高い順に上位より概ね8%の範囲」を指導対象としている保険医療機関の選定方法の見直し、(3)集団的個別指導の対象医療機関に対する当該類型区分ごとの平均点数等の情報開示、地方厚生局における都道府県類型区分ごとの平均点数の開示、(4)施設基準の適時調査、医療機関に対する施設基準の解釈等の説明の徹底、(5)教育的効果を考えた新規指定医療機関に対する個別指導のあり方の検討、新規指定時の保険制度や請求事務等の丁寧な説明の要望―など。

 このほか、個別運用上の課題の柔軟な解決や、特段に問題のない新規指定医療機関等への個別指導や適時調査の際に、非常に高圧的な態度をとる指導官が存在すると報告を受けている状況を示し、厳正な対処を要望している。

 中川副会長は、「診療の内容ではなく、高点数のみを見て指導対象とされている。特段問題のない医療機関であっても、高点数が継続した場合、集団的個別指導から個別指導に切り替わり、医療機関にとって大きな負担となっている」と説明。また、「原則として年1回」とされている施設基準の適時調査が、数年に1回程度しか行われていない上に、誤りが確認された場合には最大5年まで遡り返還を求められることが医療機関には非常に大きな経済的負担となっていると指摘。さらにその背景に、行政機関が施設基準運用の解釈を間違っているケースもあると指摘した。

 要望書を受けて、櫻井副大臣は、高点数で指導対象となった医療機関について、一度問題がないと判断されたところは、翌年から指導対象から外せるような仕組みづくりを考えたいとし、指導・監査の目的、指導・監査の対象と選定手段の正当性、人員の体制などを担当部署と検討するとした。さらに、個別指導や適時調査について、録画や第三者の立会い等を可とするような、可視化に向けた検討も行っていきたいとした。

◆問い合わせ先:日本医師会 医療保険課 TEL:03-3946-2121(代)


  日本医師会ホームページ
http://www.med.or.jp/
Copyright (C) Japan Medical Association.
All rights reserved.