白クマ
日医白クマ通信 No.1630
2013年1月11日(金)


定例記者会見
「医学関連COI問題協議会の設置へ」
―三上常任理事

定例記者会見


 三上裕司常任理事は1月9日の定例記者会見で、COI(conflict ofinterest 利益相反)問題検討のため、新たに「医学関連COI問題協議会」(座長:久史麿日本医学会長)を会内に設置することを紹介し、設置に至る経緯、設置目的などについて説明した。

 同常任理事は設置に至る経緯の説明のなかで、2011年3月に日本製薬工業協会が「企業活動と医療機関等の関係の透明性ガイドライン」を紹介。協会傘下の各製薬会社はこれに沿って指針を策定し、2013年度より各社のホームページ上に、「学術研究助成費」には大学講座名や学会名が、「原稿執筆料等」には講師、監修者、執筆者等の個人名が金額と共に公開されることになり、それを受けて、昨年8月に日医としてのCOI指針を策定するため、会内に「日本医師会COI指針策定検討委員会(プロジェクト)」を設置。初会合では、同ガイドラインについて、「企業が一方的に策定したものではないか」「開示方法が一貫していないのではないか」「各学会により、実質的に利益相反管理をしており、金額等を含め学会の基準に沿った開示を行うべきではないか」など疑問視する意見が多く出されたことを紹介した。

 さらに、日本医学会や傘下の分科会等においても、同ガイドラインを疑問視する声が強く出ていたことから、横倉義武会長と久文麿日本医学会会長が話し合いを持ち、医療界と製薬企業が一堂に会して、同ガイドラインや医師と製薬企業の望ましいあり方について意見交換を行うことを目的に、「医学関連COI問題協議会」を設置するに至ったと説明した。

 三上常任理事は、「同ガイドラインに対しては、拙速に進めすぎではないかなど、一時凍結を望む意見もあり、透明性の確保と個人情報保護の線引きをどのようにするか、十分な話し合いをしたい」と述べ、本年4月までに一定の結論を得たいとの考えを示した。

 なお、本協議会は、各団体から2名の構成員で構成する予定となっている。

・座長
 久 史麿(日本医学会長)
・日本医学会
 曽根 三郎(JA高知病院長・徳島大学名誉教授)
 加来 浩平(川崎医科大学糖尿病・代謝・内分泌内科教授)
・全国医学部長・病院長会議
 玉置 俊晃(徳島大学医学部長)
 宮坂 信之(東京医科歯科大学医学部付属病院長)
・日本製薬工業協会
 仲谷 博明(日本製薬工業協会専務理事)
 川邊 新( 同  参与)
・日本医師会
 石原 謙(日医総研研究担当副所長)
 藤田 直孝(宮城県医師会常任理事)
【今村聡副会長・三上常任理事・庶務課】

◆問い合わせ先:日本医師会 庶務課 TEL:03-3946-2121(代)
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