白クマ
日医白クマ通信 No.1667
2013年5月30日(木)


大阪府医師会
周産期医療研修会を開催「『新型』出生前診断」への正しい理解
産科・小児科・療育者が講演

大阪府医師会 周産期医療研修会


 大阪府医師会は5月18日、同医師会館で周産期医療研修会(平成25年度第1回)を開催し、産科・婦人科や新生児・小児科医師、医療従事者、助産師ら約250人が出席。母体血胎児染色体検査(NIPT)を正しく理解し、今後も親子・家族の絆に寄り添っていこうと共通理解を深めた。

 齋田幸次・府医師会理事は、25年4月のNIPT実施前に新聞報道が先行し、誤解と混乱があると問題視。本研修会を通じて正確な知識を修得願いたいと挨拶した。

 研修会では、産科医側から非確定的検査であるNIPTの概要をはじめ、検査説明と遺伝カウンセリングの重要性も従来と同様であると説明。「精度99%」とは感度・特異度を指し、陽性的中率との相違が強調された。一方、陰性的中率は99.99%の確率で胎児染色体異常はなく羊水検査の実施を絞り込める点などを示し、NIPTを巡る誤解を正した。そして、妊婦の心情は「胎児が正常か否か」にあり、相談時に十分留意すべきであると述べた。

 新生児科医側からは、胎児緩和ケアの概念を説き、新たな命を授かったカップルに生命への畏敬の念を持ってほしいと訴えた。療育者側からは、「安心・安全」を求める心は否定できないが、仮に情報提示されても、それらは得られないであろうと指摘。先天異常の児と家族の心の豊かさは、親子・家族の絆の愛着形成に由来すると説明。授かった命と選択した命の将来に思いを寄せた。

(文責:大阪府医師会広報担当理事 阪本 栄)

◆問い合わせ先:大阪府医師会広報課 TEL:06-6763-7013


  日本医師会ホームページ
http://www.med.or.jp/
Copyright (C) Japan Medical Association.
All rights reserved.