白クマ
日医白クマ通信 No.1694
2013年9月12日(水)


福岡県医師会
「地域医師会主導の在宅医療の推進、多職種連携を目指して」

福岡県医師会


 福岡県医師会では、平成24年・25年度に多職種を対象とした「在宅チーム医療を担う地域リーダー研修」を福岡県行政より委託を受け開催したので報告する。

 同研修は、厚生労働省により、在宅医療に関わる医師、歯科医師、看護師、薬剤師、ケアマネージャー等多職種がそれぞれの専門性を活かし、チームとして在宅療養患者を支援する体制を整備するため、多職種の地域リーダーを育成し、在宅医療の推進を図ることを目的に平成24年度より実施されている。まず、都道府県リーダー研修として厚生労働省から委託を受けた国立長寿医療研究センターにおいて平成24年10月13日・14日に開催され、本県からは6名(県担当者、県医師会役員、地区医師会役員、在宅医療連携拠点事業受託施設担当者)が参加し県リーダーとなった。その後、平成24年度中に県内4ブロック(北九州・福岡・筑豊・筑後)で多職種の地域リーダー養成のための研修を開催すべく、多職種の代表を集めた会議において研修プログラムを策定した。

 県医師会として、多職種を対象とした研修会は初の試みであったため、研修プログラムは、多職種間の顔合わせの場であることを重点におき、KJ法等を用いたグループワークを中心に構成した。KJ法では、「在宅医療/介護の阻害要因」についてグループ討議を行うことにより職種間での在宅医療に関する意識の違い、地域差が明確にされた。

 平成25年度は、前年度の実績(多職種間で顔の見える関係になっていること・各地域の在宅医療/介護阻害要因が明確になったこと等)を踏まえ、より具体的な研修プログラムを策定した。内容は、地域医師会が主体となり、多職種のリーダーと協議し、「多職種研修」を企画するというものである。また、福岡県内の先駆的事業である「宗像医師会在宅医療連携拠点事業(むーみんネット)(※)」の紹介についても研修プログラムに組み入れ、これを福岡県内モデルとし、他の地域医師会が参考になるよう説明した。

 今後は、地域医師会主導で多職種研修を含む在宅医療推進に向けた事業を展開していく予定であり、本会としては地域医師会と県行政、多職種との間を取り持つコーディネーター役として携わる予定である。

 福岡県内でも、福岡市、北九州市などの大都市圏は、数年前より独自で先駆的にこの事業を進めているが、郡部ではまだまだ出遅れている市町村もあり、県内全体のレベルアップも含めて、地域医師会が積極的に事業を進めて行くことを強く望んでいる。

※平成24年度に、宗像医師会において在宅医療連携拠点事業を受託し、同医師会立の訪問看護ステーションを中心に在宅医療連携体制の整備に大きな成果をあげられている。

(文責:福岡県医師会理事 戸次鎮史)

◆問い合わせ先:福岡県医師会 TEL:092-431-4564(代)


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