白クマ
日医白クマ通信 No.1705
2013年10月22日(火)


定例記者会見
「福岡市での有床診療所火災を受けた対応について」
―横倉義武会長、藤川謙二常任理事

定例記者会見


 横倉義武会長、藤川謙二常任理事は、10月17日の定例記者会見で、11日に福岡市で起きた有床診療所火災について、謹んで哀悼の意を表すと共に今後の対応について述べた。

 横倉会長は、火災により大変多くの犠牲者を出す事態となったことに対して、亡くなられた方やご家族に謹んで哀悼の意を表すと共に、治療中の方々のご回復を心より祈り、「人の命を救う医療機関において、火災によって多くの命が失われるということはあってはならない。日医として重大な問題として受け止めている」とした。

 さらに横倉会長は、「昨年、会長に就任して以来、『地域医療の再興』を目標に掲げており、国民に良質で安心・安全な医療を提供していくという使命を担う医療機関として、防災も含めた患者の安全体制の強化に、あらためて全力で取り組んでいく所存である」とした。

定例記者会見
 続けて、有床診療所担当の藤川常任理事より、今回の火災を受けた対応について説明した。

 同常任理事は、犠牲なられた方々に心よりご冥福を祈ると共に、診療所院長に対して、「全身全霊で今回の火災の対応にご尽力されることを信じている。同診療所をかかりつけにしている患者さんや従業員のためにも、頑張っていただきたい」と述べた。

 今回の火災が起きた建物については、建築確認の無い増築、防火戸の未改修や避難体制の不備などを取り上げ、「人命を預かる医療機関として十分な防火体制がとられていなかったことは大変残念」と述べ、日医では、厚労省からの「防火・防災安全体制の徹底を求める事務連絡」を都道府県医師会を通じて会員医療機関に周知しているとした。

 また、有床診療所は小規模でスプリンクラーの設置義務がないところも多いことに対して、「自力での避難が困難な患者さんを多く預かる診療所として、防火設備のあり方は真摯に検討していかなければならない」とする一方、有床診療所が経営面で非常に厳しい現状を示し、スプリンクラー等の設置義務化が行われた場合、多額の設備費用負担に耐えられないと指摘。地域の有床診療所が次々に無床化し、地域の医療提供体制が維持できなくなる状況は絶対に避けなければならないとした。

 同常任理事は、有床診療所が防災も含めた患者の安全体制を充実強化し、良質な医療を安定して提供できるよう、政府・与党に対し財政支援を求める考えを示し、「防火体制を強化しながら、引き続き地域での役割を果たしていくため、今後行政も含めて関係者と協議をし、早期に十分な安全対策を検討していく」と述べた。

◆問い合わせ先:日本医師会 地域医療第1課 TEL:03-3946-2121(代)


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