白クマ
日医白クマ通信 No.1710
2013年10月29日(火)


宮城県医師会「平成25年度第2回臨床研修医合同研修会 報告」

臨床研修医合同研修会


 今年度2回目の上記会合が、平成25年10月4日(金)午後2時から午後8時まで、仙台サンプラザホテルにて開催された。主催は宮城県医師育成機構である。

 まず育成機構副理事長、嘉数研二宮城県医師会長より開会の挨拶があり、続いて第1部の講話が行われた。先ず「なぜ、保険診療について学ぶ必要があるのか?」と題して、育成機構委員でもある筆者が講演を行った。内容はリスク回避として保険診療を学ぶ意義について、財源論も含めた我が国の医療保険の現状について、保険診療の実際についてであった。30分の持ち時間では充分ではなかったが、研修医にこのような話をする事は初めてであり、有意義な一歩であった。講話の2では、育成機構委員の橋本 省宮城県医師会常任理事から「医事紛争を避けるために」と題して30分の講演があった。最近の医事紛争案件、最近の判例、医事紛争、医療事故、医療過誤の違いについて、医療水準の話、医事紛争の動機とその対応、各科別に特に注意すべき点など、長年の経験に基づいた具体的な話であった。

 次に第2部に入り、「重症救急疾患初期対応のフルスケール・シミュレーション」と題して、東北大学大学院医学系研究科総合地域医療研修センター助教の遠藤智之先生から、シミュレーターを用いて、ショック状態に陥った患者さんにチーム医療としてどのような処置を施すかについて、実践的な指導が行われた。最後に「みんなで考える症例検討会」と題して東北労災病院救急外科部長の武藤満完先生から講演が行われた。症例の提示に対して、テーブルごとに追加すべき検査、鑑別診断などが討論され、その結果をテーブルごとに発表させるという形式であった。

 意見交換会に移り、育成機構理事長、宮城県医療顧問の久道 茂先生から挨拶があり、育成機構理事、大崎市民病院長の太田耕造先生の発声で乾杯した。その後意見交換に移り、宮城県の美味しい料理とお酒を十分堪能した後、育成機構委員、石巻ロイヤル病院副院長の石橋清人先生が締めて閉会した。1年目研修医84名、2年目研修医5名を含む112名が出席した。

 宮城県医師育成機構は、東北大学、医療機関、医師会、宮城県の4者が構成員となっており、研修医の歓迎会(ウェルカムみやぎ)、研修会開催、修学資金貸与、短期海外留学援助など幅広い活動を行っている組織である。

(文責:宮城県医師会副会長 佐藤 和宏)

◆問い合わせ先:宮城県医師会 TEL:022-227-1591


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