白クマ
日医白クマ通信 No.1773
2014年4月16日(水)


定例記者会見
「病院業界は自主行動計画目標を達成。国等は利用者のコスト負担軽減を」
―石川常任理事

定例記者会見


 石川広己常任理事は、4月9日の定例記者会見で、「2013年(2012年度)病院における地球温暖化対策自主行動計画フォローアップ報告」について調査結果等を説明した。

 本報告は、病院における地球温暖化対策推進協議会が2008年8月に策定した、「病院における地球温暖化対策自主行動計画」に関する第6回目のフォローアップ調査として、2013年度(2012年4月〜2013年3月)における数値目標の達成度や温暖化対策の取組状況をアンケート調査したものである。調査対象4,643病院のうち、1,393病院から回答(回収率30.0%)を得た。

 内容は、フォローアップ等調査編として、(0)報告要旨、(1)目標進捗、(2)対策とその効果(目標達成への取組み)、(3)CO2排出原単位及び排出量増減の要因、(4)目標達成に係る自己評価、(5)医療用亜酸化窒素の排出削減対策(CO2以外の排出削減対策)、(6)地球温暖化対策の実施状況、(7)地球温暖化対策による病院経営への波及、(8) 東日本大震災の影響と今後のエネルギー政策について、(9)省エネや地球温暖化対策のための補助・支援制度や融資制度の評価と必要性、(10)地球温暖化対策の推進にはユーザー側のエネルギーコスト等の負担軽減が不可欠―からなっている。

 その結果は、2012年度のCO2排出原単位の実績が、前年の2011年度比で1.9%減となったことや、CO2排出量も、調査初年度の2006年度に比べ90.7%まで減少したことを報告。排出原単位の減少の要因として、原子力発電所の稼働停止に伴う節電対策等の電力供給環境の逼迫を挙げるとともに、各病院の積極的な省エネルギーへの取り組みにより改善されたとした。アンケート調査の中で、各病院の省エネへの取り組みについて、「組織を設置して取り組んでいる」あるいは「組織を設置しないが取り組んでいる」と回答した病院の割合は87.7%に達していた。

 一方で、電気・ガス料金単価は上昇傾向にあるため病院の経営を圧迫しており、温暖化対策にコストをかけられない状況であることが示された。

 同常任理事は、「病院では引き続き省エネルギー対策に取り組むが、電気・ガス料金単価の高騰は厳しく、厚労省等が病院へ支援しないと難しいのではないか」と述べ、利用者側のコスト等負担軽減策の導入が不可欠であることを指摘した。

※ CO2排出原単位:病院の延べ床面積当りのCO2排出量(単位はkg-CO2/m2)

◆問い合わせ先:日本医師会地域医療第二課 TEL:03-3946-2121(代)
◇プレスリリース資料はこちら⇒PDF(3.8MB)


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