白クマ
日医白クマ通信 No.1804
2014年8月28日(木)


定例記者会見
「平成27年度医療に関する税制改正要望まとまる」
―今村副会長

定例記者会見


 日医は、8月19日に開催された第6回理事会において、「平成27年度医療に関する税制改正要望」について承認した。その内容について、今村聡副会長が8月27日の定例記者会見で説明した。

 本要望は、会内の前期の医業税制検討委員会で取りまとめられたもので、(1)福島原発事故対策としての原子力損害賠償金を非課税とする、(2)消費税対策、(3)社会保険診療報酬等に対する事業税非課税存続並びに医療法人の事業税について特別法人としての軽減税率課税存続、(4)骨太の方針「経済財政運営と改革の基本方針2014」において示された「法人税改革」について、法人税実効税率引き下げの財源確保のため、地域医療の重要な担い手である医療法人・公益法人等の税負担を増やさない、(5)社会保険診療報酬の所得計算の特例措置(いわゆる四段階制)存続―など26項目からなっており、そのうちの20項目を重点項目としている。

 (1)について、同副会長は、「東京電力から逸失利益の補償として受け取る賠償金は、被害の実態に見合った賠償額でない上、事業所得等の収入金額として課税されているが、このままでは医療機関の復旧・復興の妨げとなり、地域医療の崩壊が懸念される」として、引き続き非課税対応を求めていく考えを示した。

 (2)については、昨年の要望を一部修正し、社会保険診療報酬等に対する消費税を「免税制度」「非課税のまま税制による全額還付方式」または「課税制度」に改め、かつ患者負担を増やさないような制度設計が必要であることを訴えるもので、「非課税のまま税制による全額還付方式」を新たに選択肢として追加したと説明。この部分については、あくまで前期の医業税制検討委員会(日医・四病院団体協議会・日本私立医科大学協会)の意見であり、そのまま日医の要望になるわけではないことに注意を促した。

 その上で、近々、各団体との意見をすり合わせた上で、医療界として一つの要望を取りまとめ、9月中旬頃に公表する予定であることを明らかにした。

 (3)については、平成26年度税制改正大綱で、いずれも「税負担の公平性を図る観点や、地域医療の確保を図る観点から、そのあり方について検討する」とされた他、政府で検討中の法人税改革の影響を受けることも考えられることから、「大変厳しい状況にあることに変わりはない」との認識を示しつつ、その存続を強く求めていきたいとした。

 (4)に関しては、「新規項目で、非常に重要な項目であると考えている」と述べ、法人税実効税率引き下げの財源として、中小法人・赤字法人・公益法人等への課税強化が政府で検討されているが、医療法人については、ほとんどが中小法人に該当し、半数近くが赤字法人であると指摘。そのため、地域医療の重要な担い手である医療法人の税負担を増やさないこと、また、医師会を始めとする公益法人等についても課税強化が検討されていることから、地域医療を支える公益法人等の税負担を増やさないことも要望しているとした。

◆問い合わせ先:日本医師会年金・税制課 TEL:03-3946-2121(代)
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