白クマ
日医白クマ通信 No.269
2005年11月15日(火)


岡山県医師会 「学術講演会を開催」

 テーマは、「いま、日本の医療が危ない:規制改革・民間開放推進会議がめざす米国型医療の地獄絵図」

 岡山県医師会は、11月12日、岡山市内で学術講演会を開催した。政府・与党の医療改革協議が始まった矢先とあって、会員や医療関係者が約200人出席した。

 講演会では、李啓充元ハーバード大学医学部助教授が、「いま、日本の医療が危ない:規制改革・民間開放推進会議がめざす米国型医療の地獄絵図」と題して話をした。李氏は、「政府は『公』を減らして『民』を増やすとか、市場原理や競争原理の導入といった耳ざわりのいい言葉をつかっているが、その本質はビジネスチャンスの創出と医療費抑制を最優先しているにすぎない」と指摘。政府が志向するアメリカ型医療について触れ、「アメリカの人口2億8,000万人のうち、4,600万人が無保険者である」「民間保険会社が患者の入院にまで口をはさむ」「株式会社の病院はライバルを買収するなどの手法で市場を独占し、弱者の排除や有病者ほど自己負担が増える負担の逆進性が起こっている」等、その実態を披露した。

 さらに李氏は、「日本の現行の医療制度は、先進諸国のなかでも最も良く機能している」と強調。医療改革は、「患者の権利と医療の質を最優先し、公平・公正を保てる公的医療保険の充実を基本にすべきである」と力説した。

(文責:岡山県医師会理事 笠井英夫)

◆問い合わせ先:岡山県医師会 TEL:086-272-3225


大阪府医師会 「医療モニターとの懇談会を開催」

学術講演会


 大阪府医師会では、医療に関する意見・提言を会外から求め、それを会務の運営と医道の高揚に資することを目的に、昭和56年8月から「医療モニター」制度を採用している。今年度は、大阪市内のホテルにおいて、医療モニターとの懇談会を開催し、意見交換を行った。

 酒井國男府医会長は、あいさつのなかで、医療モニターの提言など、日頃の積極的な活動について謝辞を述べた後、最近の医療情勢について触れるなかで、極めて厳しい医療環境にあることを強調。そのうえで、良質な医療提供を維持していくためには財源の確保が不可欠とし、国民皆保険制度を守る国民運動の展開の必要性を示唆した。

 つづいて行われた懇談では、モニターからの意見・提言の取り扱い、医療安全推進のための医師会の取り組み、医療制度改革の動向と医師会の対応、エイズ予防啓発キャンペーンの4項目について、それぞれ各担当理事より詳細な説明が行われた。それらを踏まえた意見交換では、モニターから、(1)モニターの意見を府医広報誌に掲載することは有意義である、(2)医療費において、医師の技術料は適切に評価されていない、(3)高額医療機器の出現が医療費の高騰を招いている側面もあり、共同利用などによる効率化が必要である、(4)障害者自立支援法案に関する参院厚生労働委員会大阪地方公聴会での府医発言は、障害者の医療・福祉を十分理解した意見であった―などの意見が出された。

(文責:大阪府医師会理事 中川やよい)

◆問い合わせ先:大阪府医師会広報課 TEL:06-6763-7013


  日本医師会ホームページ
http://www.med.or.jp/
Copyright (C) Japan Medical Association.
All rights reserved.