白クマ
日医白クマ通信 No.641
2007年4月26日(木)


定例記者会見
「後発医薬品の使用促進に関する報道に反論―中川常任理事」

中川常任理事


 「厚生労働省が医療費の抑制を目指して、後発医薬品の使用を標準とするように処方せん様式を改め、平成20年度からの実施を目指す方針を固めた」と一部日刊紙が報道したことに対して、中川俊男常任理事は4月24日に記者会見を行い、「使用できる医薬品を制限することは医師の処方権を侵害するものであり、認めるわけにはいかない」と明確に反対の姿勢を示した。

 同常任理事は、「今回の報道内容は、中医協診療報酬改定結果検証部会が行った『後発医薬品の使用状況調査』の結果に基づいて行われたものであろうが、日医は事実を把握しておらず、もちろん認めてもいない」と批判。

 そのうえで、平成18年度に処方せん様式が見直されたことによって設けられた「後発医薬品への変更可」の欄に処方医の署名等がある処方せんは、処方せん全体の約17%であり、そのうち実際に保険薬局で後発医薬品に変更されたものは6%に過ぎないことを説明。「この約17%という数値は、現時点での後発医薬品に対する医師の信頼の度合いを示すものであり、6%しか後発医薬品に変更されなかった理由は、安定供給の問題やメーカーが汎用規格しか製剤しない等の指摘がある。医師は、先発医薬品であろうが、後発医薬品であろうが、患者さんのために有効性、安全性を総合的に判断し、信頼のおける医薬品を使用することだけを考えている」と述べ、後発医薬品の使用を促進するためには、まず、その信頼性を高めることを考えるべきだと指摘した。

 また、その信頼性を高める方策については、安定供給されることは当然のことであるが、品質の精度管理、副作用情報の提供をしっかり行うことが求められるとの考えを示した。

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