白クマ
日医白クマ通信 No.750
2007年10月16日(火)


社会保障審議会介護給付費分科会(10月12日)
「療養病床から転換した介護老人保健施設」の促進について検討

社会保障審議会介護給付費分科会


 第43回社会保障審議会介護給付費分科会が、10月12日、都内で開催された。

 分科会では、審議事項として、(仮称)医療機能強化型介護老人保健施設と、 小規模介護老人保健施設について、それぞれ検討された。

 (仮称)医療機能強化型介護老人保健施設について、療養病床から介護老人 保健施設への転換に係わる介護報酬改定の基本的な考え方が示され、検討され た。

 介護報酬の評価の仕方については、(1)入所者像の変化に伴い、新たな施設 類型を設置するのではなく、必要な医療サービスの提供にふさわしい医療職の 配置を行った上で、サービス提供を行った場合、介護報酬上で加算してはどう か、(2)夜間等日勤帯以外に看護が必要な患者の割合に基準を設けてはどうか、 (3)夜間等日勤帯以外の対応として、医師のオンコール対応や他の保険医療機 関の医師による往診(医療保険からの給付であり、保険局と調整中)、看護職 員による配置等、必要な物品費等、介護報酬上で加算評価してはどうか、(4) 看取りなどへの対応として、入所者の個別ニーズに対応した医療サービスの提 供に対して加算評価してはどうか―といった内容であった。

 検討のなかで、施設名称に含まれる「医療機能強化型」については、天本常 任理事から、「転換により、医師も看護職員も減ることになり、実質的には強 化とはならない。利用者が混乱するのではないか」とし、名称変更を強く要望 した。他の委員からも、賛同する意見が挙げられ、事務局は、今回以降「療養 病床から転換した介護老人保健施設」と表記を改めるとし、来年初旬に分科会 で、正式な名称を決定することとなった。

 療養病床からの転換方法については、天本常任理事が、療養病床から移行す る目安がない状態で進んでいるため、混乱が起きている。難民が生じない方法 を考える必要があると述べ、再検討を促す発言があった。

 次回の分科会では、施設の入所者像を示すこととなった。

 小規模介護老人保健施設の基準緩和では、介護報酬算定日数上限の緩和とし て、現行の介護報酬算定日数上限の180日を撤廃すること、施設に係る人員基 準の緩和として、現行では、常勤とされていた、支援相談員および介護支援専 門員を、非常勤による配置も可能とする案について検討された。

 最後に、了承・その他の事項として、介護労働者の育成定着率の向上を図る ため、介護サービス事業の実態把握のためのワーキング・チームの設置、福祉 用具の報酬の在り方等について、論点整理および技術的な事項の検討などを行 う「福祉用具における保険給付の在り方に関する検討会」の設置―について検 討が行われた。双方とも、設置が了承され、本年中に意見をまとめ、分科会に て報告されることとなった。

◆問い合わせ先:日本医師会介護保険課  TEL:03-3946-2121(代)


  日本医師会ホームページ
http://www.med.or.jp/
Copyright (C) Japan Medical Association.
All rights reserved.