白クマ
日医白クマ通信 No.821
2007年12月14日(金)


定例記者会見
「死亡時画像病理診断(Ai)活用に関する検討委員会設置―今村聡常任理事」

今村聡常任理事

 今村聡常任理事は、12月12日の記者会見で、死亡時画像病理診断(Ai:Autopsy Imaging)活用に関する検討委員会を会内に設置したことを明らかにした。

 本委員会は、死因究明のための制度の円滑な運用の方策のひとつとして、全国的に普及率が高いCTを積極的に活用し、死後画像と剖検との組み合わせによる医学的および社会的な死亡時患者情報の充実の可能性について、検討を行うとともに、その課題を明らかにすることを目的として設置されたものである。

 同常任理事は、現在、日本では、諸外国に比べて死亡時の医学検索としての剖検数が少なく、異状死の10%に満たない現状を説明。その理由として、(1)遺族からの拒否が非常に多い、(2)解剖を担当する医師が少ない、(3)財源の問題―などがあることを報告した。なかでも、幼児の死亡については、虐待などが原因と考えられることもあり、死亡時の画像診断による病理診断が非常に重要になるとし、「日本にOECD平均の4倍以上あるCT等の画像診断装置を有効に活用するため、本委員会では、死亡時画像病理診断の有効性や課題について、議論し、検討していきたい」と述べた。

 なお、同常任理事は、12月7日に開催した委員会の初会合では、財源問題、マンパワーの問題を含めた3つの論点[(1)Aiが死亡時の医学検索システムのなかで1つのツールとして利用することができるかどうか、(2)院内の死亡について、院内にあるCT、MRIをどのように診断に活用するか、(3)幼児・小児死亡についての診断]について、具体的に検討を行っていくとの方向性が確認されたことを明らかにした。

 また、今後のスケジュールとしては、「本年度中に、さまざまな課題を挙げてもらい、次年度以降は、それを発展させて、具体的な検討を進めていきたい」と抱負を述べた。

◆問い合わせ先:日本医師会医療安全対策室 TEL:03-3946-2121(代)

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