網膜剥離で一番多いのは、まず網膜に裂け目(網膜裂孔)ができ、そこから水分が入り込んで剥離が進むというパターンです。
では、なぜ裂け目ができるのかというと、これには加齢が関係してきます。
【A】 | 眼球の内部は硝子体(しょうしたい)とよばれるゼリー状の物質で満たされています。 |
【B】 | ところが、加齢とともに硝子体の一部が液状化して縮み(後部硝子体剥離)、眼球の動きに連動して移動するようになります。 |
【C】 | このとき、硝子体と網膜に癒着している部分があると、硝子体の動きに網膜が引っ張られ、裂け目(網膜裂孔)ができることがあります。 |
【D】 | 硝子体の動きに網膜が引っ張られ続けると、この裂け目から網膜の視細胞と色素上皮の間に水が入り込み、しだいに網膜の剥離が起こります。 |
また、加齢に伴う硝子体の変化による裂け目のほかに、網膜の変性・萎縮によって生じる萎縮性円孔もあります。これは、若年層の強度の近視の人に多く見られるもので、網膜剥離に進行することは少なく、剥離が起きても進行はゆっくりです。
さらに、眼球に強い衝撃を受けることによって網膜に裂け目ができ、網膜剥離にいたることもあります。特にボクシングのような顔面に打撃を受けるスポーツを行う人の場合、危険性は高くなります。
|