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ポリオワクチンでポリオになる? |
ポリオは、熱を伴うかぜのような症状から、足腰の痛み、そして突然現れるだらんとした手や足の麻痺(弛緩性麻痺)が現れ、生涯にわたり運動障害が残ることの多い病気です。 かつて日本には多くのポリオ患者さんがいましたが、ポリオ生ワクチンの一斉投与が行われるようになってから、その数は急激に少なくなり、1981年以来日本ではポリオの患者さんの発生はありません。アジア西太平洋地域でもポリオの発生はゼロになりつつありますが、世界中でポリオワクチンを中止にした国はまだなく、ワクチンを全く中止にして良いほどの安心できる状態にまではまだなっていません。なお、アフリカ、インド大陸などでは、まだポリオの患者さんの発生があります。 ポリオの生ワクチンは、病原性がほとんどないポリオウイルス(弱毒ウイルス)をワクチンとして飲むことによって免疫ができ、自然のポリオウイルス(野性ウイルスまたは強毒ウイルス)の侵入が防げるものです。しかし生ワクチンの欠点として、極めて稀に、ワクチンを飲んだ人に自然のポリオと同じ様な症状が現れてしまうことがあります。これがポリオワクチンによる麻痺例 (VAPP) で、日本では約440万回接種あたり1件、数年間に1件生じています。 またポリオのワクチンを飲んだ人の便からは、弱毒のワクチンウイルスが、1〜2カ月間排泄され続けますが、これがポリオの免疫のない人の口から入ってしまうことがあります。その多くは、ワクチンを飲んだことと同じで免疫がなかった人に免疫が出来てしまうことになりますが、ワクチンの場合とやはり同じで極めて稀に自然のポリオと同じ症状が現れてしまうことがあります。またワクチンを飲んだ人の便から現れる弱毒のウイルスが、遺伝子の構造上毒性が自然のポリオウイルスに近い形の変異株となっていることもあります。これらをあわせて、ポリオのワクチンを飲んだことのある人の家族などからポリオと同じ症状が現れてしまうことが日本ではこれまでに約580万回の接種あたりに1件ほど出ています。現在日本では、これらの極めて稀なポリオの副反応をさらに少なくするため、新しいワクチン(不活化ワクチン)の開発が進行中です。 「手をよく洗いましょう」
なお同じ生ワクチンでも、麻疹(はしか)、風疹、おたふくかぜ、水痘(みずぼうそう)などのワクチンを接種した人からワクチンのウイルスが排泄され、免疫のない人に感染して発病することはほとんどありませんので、ご心配無く。 |
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