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平成15年7月14日
SARSコロナウイルスの感染による重症急性呼吸器疾患である。
多くは2−7日、最大10日間の潜伏期間の後に、急激な発熱、咳、全身倦怠、筋肉痛などのインフルエンザ様の前駆症状が現れる。2−数日間で呼吸困難、乾性咳嗽、低酸素血症などの下気道炎症が現れ、胸部CT、X線写真などで肺炎像が出現する。肺炎になった者の80−90%が1週間程度で回復傾向になるが、10−20%がARDS (Acute Respiratory Distress Syndrome) を起こし、人工呼吸器などを必要とするほど重症となる。
致死率は10%弱。WHOは推計として15%と発表としている。
(1)患者の判断基準
診断した医師の判断により、症状や所見から当該疾患が疑われ、かつ、以下の方法によって病原体診断や血清学的診断がなされたもの。
【材料】鼻咽頭ぬぐい液、喀痰、尿、便、血清など
注) | これらの検査所見(特にRT-PCR、ウイルス分離)で陰性になった場合であっても、SARSを否定することはできない。この場合には、医師の総合判断により、疑似症例として取り扱うこととする。 |
(2)疑似症患者の判断基準
疑似症の診断:臨床所見、渡航歴などにより判断する。
以下の1)又は2)に該当し、かつ 3)の条件を満たすものとする。
1) | 平成14年11月1日以降に、38度以上の急な発熱及び咳、呼吸困難等の呼吸器症状を示して受診した者のうち、次のいずれか1つ以上の条件を満たす者 |
a. | 発症前10日以内にSARSの「疑い例」・「可能性例」を看護若しくは介護していた者、同居していた者又は気道分泌物若しくは体液に直接触れた者 |
b. | 発症前、10日以内に、SARSの発生が報告されている地域(WHOが公表したSARSの伝播確認地域)へ旅行した者 |
c. | 発症前、10日以内に、SARSの発生が報告されている地域(WHOが公表したSARSの伝播確認地域)に居住していた者 |
2) | 平成14年11月1日以降に死亡し、病理解剖が行われていない者のうち、次のいずれか1つ以上の条件を満たす者 |
a. | 発症前10日以内にSARSの「疑い例」・「可能性例」を看護若しくは介護していた者、同居していた者又は気道分泌物若しくは体液に直接触れた者 |
b. | 発症前、10日以内に、SARSの発生が報告されている地域(WHOが公表したSARSの伝播確認地域)へ旅行した者 |
c. | 発症前、10日以内に、SARSの発生が報告されている地域(WHOが公表したSARSの伝播確認地域)に居住していた者 |
3) | 次のいずれかの条件を満たす者 |
a. | 胸部レントゲン写真で肺炎、または呼吸窮迫症候群の所見を示す者 |
b. | 病理解剖所見が呼吸窮迫症候群の病理所見として矛盾せず、はっきりとした原因がないもの |
注) | 他の診断によって症状が説明ができる場合は除外すること。 |
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