日医ニュース 第883号(平成10年6月20日)

国会審議より

宮崎参院議員が質問

不正請求とは何か?

[5月28日参院国民福祉委]


 5月28日、日医連推薦の宮崎秀樹参議院議員は、参議院国民福祉委員会で、いわゆる「不正請求問題」について質問した。以下は、その概略である。

 宮崎秀樹君 医療費削減の意味もあってか、レセプト審査が厳しく行われている。そこで減点された医療機関がみんな悪いのか、といえばそうではない。一方的に技官が判断して減点することには大変問題がある。悪いことをやっているところがあれば、そこは徹底的に取り締まれと日医もはっきり言明している。

 しかし、減点審査による患者の負担分の過払いは、民法の不当利得返還請求権に基づき保険医療機関に対して返還を請求できる、これが厚生省の見解だ。つまり、減点審査は正当なものと断定し、減点分は不当利得であると認定された印象を与えている。そのため、これを鵜呑みにした患者さんが、減点されていることだけで医療機関は返済請求に応じるべきだと考えてしまう。これは、行き過ぎた。不当利得の善意、悪意、現存利益の有無をまったく無視したものである。

 私も審査委員をやった経験があるが、単なる事務的ミスもある。例えば、保険証の記号を写し間違えると、ばっさり切られる。

 患者さんの方は、この減点についてお金を返してくれとなるが、注射や薬はもう体の中へ入っちゃっていて、病気も治っている。その注射や薬の代金は医療機関が支払っている。減点については、なぜ減点になったか、この実態を調査する必要がある。厚生省にはそこを突き詰めたデーターがあるのか。教えてほしい。

 政府委員(高木俊明君) 減点については、支払基金や国保連合会の審査結果の統計数字しかない。審査の減点内容を見ると、半分が資格の間違い、被保険者がもう資格を喪失して、他の制度に入っているのに、従来の保険証を持ってきてかかるというようなものだ。これは、減点といっても通常の減点とは違うと思う。システムとして、制度の在り方も含めて検討する必要がある。

 


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