日医ニュース 第908号(平成11年7月5日)

資料版
平成10年
人口動態統計月報年計(概数)の概況
(厚生省)



調査の概要

1 調査の目的:
わが国の人口動態事象を把握し,人口および厚生行政施策の基礎資料を得ることを目的とする.
2 調査の対象及び客体:
「戸籍法」および「死産の届出に関する規程」により届け出られた出生,死亡,婚姻,離婚および死産の全数を対象としているが,本概況では平成10年に日本において発生した日本人の事件を客体とした.
3 調査の期間:
平成10年1月1日〜平成10年12月31日
4 調査の方法:
市区町村長は,出生,死亡,婚姻,離婚および死産の届書等に基づいて人口動態調査票を作成する.
5 報告の系統:

6 結果の集計:
集計は,厚生省大臣官房統計情報部で行った.

注:出生・死亡・自然増加・婚姻・離婚率は人口千対.乳児・新生児・早期新生児死亡率は出生千対.死産率は出産(出生+死産)千対.周産期死亡率・妊娠満22週以後の死産率は出産(出生+妊娠満22週以後の死産)千対である.
自然増加:出生数から死亡数を減じたもの
乳児死亡:生後1年未満の死亡
新生児死亡:生後4週未満の死亡
早期新生児死亡:生後1週未満の死亡
死産:妊娠満12週以後の死児の出産
周産期死亡:妊娠満22週以後の死産に早期新生児死亡を加えたもの
合計特殊出生率:15歳〜49歳までの女子の年齢別出生率を合計したもので,1人の女子が仮にその年次の年齢別出生率で生むとした時の子ども数に相当する.

人口動態総覧
  実   数 平均発生間隔
  平成10年 平成9年 対前年
増 減
平成
10年
平成
9年
平成10年 平成9年
            分 秒 分 秒

出生
1,203,149 1,191,665 11,484 9.6 9.5  26″  26″

死亡
936,480 913,402 23,078 7.5 7.3 34″ 35″

乳児死亡
4,380 4,403 −23 3.6 3.7 120′00″ 119′22″

新生児死亡
2,353 2,307 46 2.0 1.9 223′22″ 227′50″

自然増加
266,669 278,263 −11,594 2.1 2.2

死産
38,990 39,546 −556 31.4 32.1 13′29″ 13′17″

自然死産
16,919 17,453 −534 13.6 14.2 31′04″ 30′07″

人工死産
22,071 22,093 −22 17.8 17.9 23′49″ 23′47″

周産期死亡
7,461 7,624 −163 6.2 6.4 70′27″ 68′56″

妊娠満22週以後の死産
5,818 6,009 −191 4.8 5.0 90′20″ 87′28″

早期新生児死亡
1,643 1,615 28 1.4 1.4 319′54″ 325′27″

婚姻
784,580 775,651 8,929 6.3 6.2 40″ 41″

離婚
243,102 222,635 20,467 1.94 1.78 2′10″ 2′22″
  平成10年 平成9年
合計特殊出生率 1.38 1.39



結果の要約

(1)出生数は増加
 出生数は120万3149人で,前年の119万1665人より1万1484人増加し,出生率(人口千対)は9.6で前年の9.5を上回った.
 合計特殊出生率は1.38で前年の1.39を下回った.合計特殊出生率が低いのは東京都,千葉県,北海道,京都府等の大都市を含む地域であった.
(2)死亡数は増加
 死亡数は93万6480人で,前年の91万3402人より2万3078人増加し,死亡率(人口千対)は7.5で前年の7.3を上回った.
 死因別にみると,死因順位の第1位は昭和56年以降,悪性新生物であるが,第2位に心疾患,第3位は脳血管疾患となっている.全死亡者に占める割合はそれぞれ,30.3%,15.3%,14.7%であり,死亡者のおよそ3人に1人は悪性新生物で死亡したことになる.

(3)自然増加数は減少
 出生と死亡の差である自然増加数は26万6669人で,前年の27万8263人より1万1594人減少し,自然増加率(人口千対)は2.1で,前年の2.2を下回った.
  死亡数が出生数を上回った都道府県は,高知県(平成2年以降),島根県(平成4年以降),秋田県(平成5年以降),徳島県(平成6年以降),山口県(平成4・5・7年以降),鹿児島県(平成7・9年以降),山形県(平成9年以降),和歌山県(平成5・7・10年以降),愛媛県(平成10年)の9県である.
(4)死産数は減少
 死産数は3万8990胎で,前年の3万9546胎より556胎減少し,死産率(出産(出生+死産)千対)は31.4で,前年の32.1を下回った.
(5)婚姻件数は増加
 婚姻件数は78万4580組で,前年の77万5651組より8929組増加し,婚姻率(人口千対)は6.3で前年の6.2を上回った.
  平均初婚年齢は夫28.6歳,妻26.7歳で,夫は昭和62年以降ほぼ横ばいに推移しているが,妻は平成4年以降毎年上昇している.
(6)離婚件数は増加
 離婚件数は24万3102組で,前年の22万2635組より2万467組増加し,離婚率(人口千対)は1.94で前年の1.78を上回り,件数・率ともに人口動態統計史上最高となった.


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