日医ニュース 第912号(平成11年9月5日)

平成10年簡易生命表
男の平均寿命下がる


 厚生省は八月五日,平成十年簡易生命表を発表した.
 簡易生命表は,わが国の死亡状況が今後変化しないと仮定したとき,各年齢の者が一年以内に死亡する確率や,平均してあと何年生きられるかという期待値などを,死亡率,生存数,死亡数,定常人口,平均余命,寿命中位数などの指標によって表したものである.
 それによると,平成十年の平均寿命は,男が七十七・一六年,女が八十四・〇一年で,自殺者の増加に伴って,前年を男は〇・〇三年下回ったが,女は〇・一九年上回った.男女差は六・八五年と,前年より〇・二二年拡大した.
 平成十年における死因別死亡確率(将来どの死因で死亡するかを示す割合)は,男女とも悪性新生物でもっとも高く,心疾患,脳血管疾患,肺炎の順になっている.また,男女とも〇歳,六十五歳,八十歳の各年齢で,三大死因(悪性新生物,心疾患,脳血管疾患)の死亡確率は半数以上となっている.
 特定の死因が克服されたと仮定した場合の平均余命の延びは,〇歳では男八・九一年,女八・一一年,六十五歳では男七・一四年,女六・七三年,八十歳では男四・三二年,女四・九九年となっている.


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